投稿日:2024.06.01
沖縄で「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー、販促・集客コンサルタントとして活動している豊平尚哉です。
中でも、フィットネス系キックボクシングジム・会員制スポーツジムの新規集客・継続率アップが得意です。
私自身もキックボクシングジム3店舗(沖縄2店、大阪1店)を経営し、コロナ禍でも黒字運営を継続しています。
今回のコラムは、スポーツの最大の課題である「継続率」へ焦点を当てた内容です。大手フィットネスジムでは真似できない小さなスポーツジムだからこそできる施策なので、ジム経営者はぜひ参考にしてください。
最近では、フィットネスジムの倒産が過去最多を更新している背景には、コロナ禍が落ち着いたあとには駅前フィットネス、安価、24時間年中無休のフィットネス(いずれも大手資本)が乱立し、競争が激化している状況だからだと言えます。
2024年もその傾向は顕著に現れており、過去最多の廃業を更新すると予想も。
廃業にならないために、まずは「継続率」を意識して集客する必要があります。
小さなスポーツジムは、大手には真似できない小回りの利いた施策と工夫が重要になります。
スポーツジムの継続率
スポーツジムの継続率は、入会した会員がどの程度継続して利用しているかを表す数値です。日本フィットネス産業協会によると、国内のジムの月間退会率は約4~5%で、年間を通して見るとほぼ半数の会員が入れ替わるとされています。また、アメリカの研究では、フィットネスジム利用者の継続率は、開始から3ヶ月後で37%、1年後にはわずか4%未満に減少すると報告されています。
24時間ジムの1年後の継続率は10%と非常に低く、入会してから半年で退会する人が約70%、1年後には約90%の人が退会するとされています。筋トレ(筋肉に負荷をかけることで筋肉の成長を促し、筋出力を高めるトレーニング)だけにフォーカスした場合の継続率は0.3%ととても低いというデータも出ています。
継続率の低さが問題となっているため、1年以内に退会すると違約金を支払う制度を設けているジムもあります。また、辞めてしまった人の中には転勤や引っ越し、家庭の事情など、やむを得ず運動を継続できなくなった事情が発生した方も一定数いるかと思います。
(AIによる生成)
つまり、新規入会し1年後には4%まで減少。
あまりにも低い数字ですが、これが一般的な継続率だと感じます。
例えば、5月に新規入会で20人成約しても1年後には0.8人しか続いていない状態です。30人成約しても1.2人とごく僅かな人しか残りません。
補足)継続率は次のように計算されます
継続率 = (1年後の残留者数÷最初の入会者)×100
例)
2023年5月の入会者20人
1年後の残留者数11人
(11÷20)×100=55
継続率55%
継続率が下がる理由は様々ですが、いくつかネガティブ要因を挙げるとすると
- 飽きる
- 結果が出ない
- 優先順位が下がる
- 通う時間がない
- ジムからの距離
など、挙げられます。
上記の要因に対して、継続率を上げる施策として
- ●飽きさせないトレーニングプログラムを提供する
- ●小さな目標を設定する
- ●目標に対して直近の情報を提供する
- ●時間よりも頻度を重視する
- ●無理をさせない
- ●ジムへの通いやすさを伝える
- ●お気に入りのウェアやスニーカーを用意する
- ●自分に合ったジムを選ぶ
- ●仲間を見つける
- ●SNSにアップしてモチベーションアップする
など、様々な対策がネットで検索できます。
しかしながら、このような対策は数年前から拾うことができるので、実際に実施しているジムも多いことでしょう。
それでも継続率を上げることは至難の業です。
私が経営しているジムの継続率
現在の1年間の継続率は58.1%です。コロナ以前と比べて10%下がってしまいましたが、50%以上を確保しています。
例えば、昨年5月に20人の成約があった場合、11.6人が1年後も継続して通っていると言えます。
前述したAI生成の4%と比較してかなり高い継続率だと思います(目標は70%越え)。
なぜ、そのような高い継続率ができているのかというと
- 1、入会の入り口を工夫する(悩みやお困りごとを知る)
- 2、入会金無料キャンペーン、初月会費無料をやらない(真剣な人を集める)
- 3、3ヶ月、半年、1年ごとに「継続してくれている理由」を聞く
- 4、2週間ジムへ来なくなった人へメールでリマインドを送る
- 5、ジム以外でもコミュニケーションを図る(懇親会)
このたった5つの取り組みをすることで、飛躍的に継続率は改善できます。
1、入会の入り口を工夫する(悩みやお困りごとを知る)
「A4」1枚アンケート(Q1)を取り続けていることで、世の中のニーズがわかります。その回答を元にホームページ、インターネット広告、チラシを打ち出すことで、自社に合った人だけを集めることができます。
2、入会金無料キャンペーン、初月会費無料をやらない(真剣な人を集める)
こちらは何度もコラムとして書いてますが、真剣な人ほど継続率は高くジムのファンにもなりやすい。しかし、「無料」「安さ」では真剣な人を集めることは難しく、「とりあえずやってみるか」「安いから試してみよう」など、お得重視の人が集まりやすくなります。ということは、入りやすい=辞めやすいという環境を生み出していると言えます。つまり、継続率が低い人が多いということです。
参考記事:小さなスポーツジムは今すぐ「入会金無料キャンペーン」をやめるべき理由
3、3ヶ月、半年、1年ごとに「継続してくれている理由」を聞く
なぜ継続率が悪いスポージム業界にもかかわらず、3ヶ月、半年、1年も継続して通ってくれているのか?を疑問を持ち、その人の1日のライフスタイルや継続できているモチベーションを聞き取ります。そこからヒントを得て、他の人へも同じように促します。
4、2週間ジムへ来なくなった人へメールでリマインドを送る
平均的に2週間の期間、ジムの利用がなければリマインドメールを送り、会員さんとコミュニケーションを図ります。そこでモチベーションの低下や体調、仕事の多忙など聞き取り、打てる施策を実施します。
例えば、風邪をひいていた会員さんがいれば、「風邪をひいて体力が下がっているので、ジムの利用は好きなトレーニングだけで大丈夫です。時間も30分以内でゆっくりトレーニングしましょう」と体力を気遣い、ジムの利用を促します。
これだけも、メールを受け取る側は「少しだけのトレーニングで大丈夫なんだ。」という気持ちになりジムの利用が促進されます(実証済み)。
5、ジム以外でもコミュニケーションを図る(懇親会)
定期的に懇親会を開くことで、会員さんのモチベーションや継続の理由、要望など聞き取ることができます。
そこから得た情報を元にトレーニングプログラムの改善、トレーナーの指導変更、さらには少額の器具を購入など、継続率を上げる目的で改善業務を実施します。
まとめ
ざっくり5つの施策を出しましたが、大手フィットネスジムがなかなか手をつけられない取り組みではないでしょうか?
どれも小回りがきく小さなスポーツジムだからこそできる取り組みばかりです。
大手フィットネスジムがやりたがらない地道なことだと思いますが、冷静に見返してみるとものすごく商売としては当たり前のことを行なっているだけです。
目の前にいる会員さんがどのような気持ちでジムへ入会したのか?
他のジムは入会金無料、初月会費無料なのになぜ当ジムを選んだのか?
そして、なぜ3ヶ月も半年も1年も継続して通ってくれているのか?
その当たり前のことを聞き出し、経営に反映させるだけです。
それを知るためにまず大事なのは「A4」1枚アンケートを使い、会員さんの意見を聞いてみることです。
そこから必ず突破口を見つけることができます。
とは言っても
「入会金無料や初月会費無料キャンペーンをやめるのが怖くてできない。」という方もいらっしゃいます。
確かに1年通して入会金無料、初月会費無料キャンペーンを実施していると、いざ有料にしてしまうと新規成約が減るのでは?と考えてしまいます。
断言しますが、新規成約は減ります。割合として半分ぐらいは減ると思ってください。しかし、入会金と初月会費をしっかりと受け取ることでジムに残る売上・利益は確実に増えます。そして、1年後の継続率と売上、利益を計算し直すと増収増益になっているはずです。
客数ばかりに捉われず、売上、利益がどのように変化するかを試算すると良いと思います。
今日はここまでとなりますが、もっと詳しく知りたいという方は、ぜひ私か近隣のアドバイザーへご相談ください。
「A4」1枚アンケートの作り方や使い方、継続率を上げるための施策など親身になって相談に応じます。
近くのアドバイザーへ相談したい場合は、こちらから地域が選べます。
※ご案内※
新刊「不安がなくなるとモノが売れる」好評発売中!
◆メルマガ登録
集客に役立つ情報を配信中
◆「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー募集について
- ●「正しい方法でクライアントに成果をもたらす仕事をしたい」
- ●「独自のコンテンツを持って、セミナー・研修講師として活動したい」
- ●「販売促進に関して相談できる仲間を作りたい」
とお考えであれば、「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーの資格を取得するのが一番の近道です。 販促コンサルタントの岡本達彦先生公認『「A4」1枚販促アンケート広告作成アドバイザー協会』主催の認定アドバイザー試験に合格して資格を取得すると、「A4」1枚アンケートの商標・ノウハウ使用の権利を手に入れられ、実践勉強会や各種セミナーを開催することができます。
あなたも「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーになって、私たちと一緒に活躍してみませんか?
詳しくはこちらから
◆本のご案内
この記事を書いた人
「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー
豊平尚哉(フィードバックドリブン株式会社 代表取締役)
フィットネス系キックボクシングジム・会員制スポーツジムの新規集客・継続率アップが得意です。
私自身もキックボクシングジム3店舗(沖縄2店、大阪1店)を経営し、コロナ禍でも黒字運営を継続しています。
■セミナーで紹介している主な成功事例(一部)
・チラシを見直し3ヶ月で新規顧客3倍アップ(水宅配業)
・SNSを使い安売りせずに3ヶ月で1200人以上の集客(つけ麺店)
・ランディングページで新規顧客229%アップ(スポーツジム)
・新入社員が作ったチラシで売上1000万円以上獲得(アスファルト舗装会社)
・コロナ禍でもポスティングチラシで新規入塾者が昨年比4倍(学習塾)