投稿日:2024.11.03
「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー 静岡支部の神南です。
経営者が現場の第一線で活躍しながら、自身がお店の広告塔として情報発信や広報に力を入れている 小さなお店を対象に集客や販促コンサルティングを行っています。
中でも、ライバルが多くても「あなたの商品だから買いたい!」と何度も喜んで買ってくれる店主のファンを増やすSNS・チラシを活用した販促を得意としています。
「今回は、たまたま良かった」「運が良かった」――。
多くの店舗経営者から、販促や集客の成功体験についてこんな言葉を耳にします。確かに、一度の成功を再現することは簡単ではありません。
しかし、「A4」1枚アンケートの質問から導き出される思考法を身につけることで、販促だけではなく、商談、広報など、様々な場面で「再現性」の高い成果を生み出すことができるのです。
「再現性」を高める5つの質問
「A4」1枚アンケートには、以下の5つの質問項目があります。
- 購入前の悩みや欲求
- 知ったきっかけ
- 購入時の不安
- 購入の決め手
- 利用後の良さ
これらは単なるアンケート項目ではありません。お客様の心理的な変化のプロセスを表しており、実は様々な商談や販促の場面で活用できる「思考の型」なのです。
例えば、
●新規取引先との商談で「知ったきっかけ」を聞くことで、商品説明の切り口が見えてくる
●新商品開発時に「購入前の悩みや欲求」を活用することで、商品企画の方向性が定まる
●SNSでの商品紹介に「決め手」を活用することで、効果的な訴求ポイントが明確になる
今回は、この思考法を活用して大きな成果を上げた具体例をご紹介します。
思考法の実践-相手のニーズを引き出す質問力
私のあるクライアント(洋菓子店)の創業支援をしていた時のことです。もともとサラリーマンだった店主が、父の他界により閉店した老舗洋菓子店を10年ぶりに復活させようとしていました。
しかし、店主は商品づくりや店づくりの準備に追われ、集客や販促については手が回っていない状況でした。
そんな中、別のクライアントがテレビ取材を受けることになり、番組ディレクターとの打ち合わせに同席する機会がありました。このとき、「A4」1枚アンケートの「Q2.知ったきっかけ」という質問を意識して、以下のように会話を展開しました。
神南:「今回、何がきっかけで、クライアントAのことを知ったのですか?」
ディレクター:「ネットで調べていたらたどり着きました」
神南:「具体的にどのメディアやサイトをご覧になったのですか?」
ディレクター:「他局で取材されていた記事や動画(YouTube)で、おもしろい取り組みをされていると気になり、その後、ホームページやインスタなど全部拝見しました」
神南:「差し支えなければ教えてください。この番組のテーマから取材先を選定するために、まずはどんなキーワードで検索されたのですか?」
ディレクター:「"復活"と"地元”かですね」
たしかに、クライアントAは生まれ育った地元の漁村や漁師の復活という切り口で活動していました。
【ここで店舗経営者への実践ポイント】
これは接客や商談でも同じです。「どちらでお知りになりました?」で終わらせず、「具体的にどんな情報をご覧になりましたか?」「どんなことをお探しでしたか?」と掘り下げることで、お客様の本当のニーズが見えてきます。
キーワードを活かした提案力
ここで終わったら、単に「参考になった」で終わってしまいます。アンケート結果を次に活かすというのが本題です。
神南:「実は、"復活"という切り口で、とてもストーリー性の高い事業者の取り組みがあり、他のメディアさんにも知られていない情報があるのですが、ご紹介させていただいてもよろしいでしょうか?」
ディレクター:「え!ぜひぜひ」
私は、46年間洋菓子店を営んでいた父がご病気で他界したのを期に閉店。その父が開発した銘菓のレシピを、サラリーマンだった息子さんが閉店から10年の歳月を経て復活させようとしている―というストーリーをお伝えしました。
取材は即決で決定しました。なぜなら、この事例には番組制作の「決め手」となる要素が複数詰まっていたからです。
【ここで店舗経営者への実践ポイント】
お客様との会話から得られたキーワードは、その方が何を重視しているかを示すサインです。この事例では「復活」というキーワードから、以下のような要素を組み合わせて提案することができました。
- ●46年の歴史ある店舗の復活
- ●亡き父が残した銘菓レシピの復活
- ●サラリーマンから菓子職人への人生の復活
- ●家族の想いの復活
- ●往年のファンの願いに応える復活(多くのお客様から「あの味をもう一度」という声)
あなたの店舗でも同様です。例えば、
- ●「健康」というキーワードが出たら→原材料や製法の健康面での特徴を詳しく説明
- ●「地元」という言葉が出たら→地域との繋がりや地域特産品の活用を強調
- ●「伝統」という言葉が出たら→継承している技術や味の歴史を紹介
このように、相手の関心に合わせて提案内容を組み立てることで、成約率が高まります。
思考法がもたらした具体的な成果
結果として、オープン前から当日まで3日間の密着取材が実現。さらに、35~40分という破格の放送時間を確保することができました。
新店舗は立地が決して良いとは言えず、目立った場所への看板も一切なく、チラシなどの販促活動を全く行っていない状況でした。それにもかかわらず、オープンから連日大盛況となり、午前中で完売する日々が続きました。初月の売上は当初目標の2倍を超える成果を上げることができたのです。
店舗経営者が明日から実践できる「再現性」の高い思考法
この事例は、一見特殊に思えるテレビ取材の獲得という成果につながりましたが、その本質は日々の店舗経営でもすぐに活用できます。
また、「A4」1枚アンケートは、お客様の直筆の文章を広告に掲載したいなら紙に記入していただく必要がありますが、今回のように会話の中で展開していくことも可能です。
今回の実践のポイントを、あなたのお店に合わせて考えると以下の3ステップになります。
1.相手の「知ったきっかけ」を起点に会話を展開する
- ●「うちの商品をどこでお知りになりました?」
- ●「どんな媒体やメディアをご覧になりましたか?」
- ●点ではなく、線や面で捉えられるよう、どのように情報収集したのか掘り下げる
2.得られたキーワードから相手のニーズを特定する
- ●「復活」「健康」「伝統」「地元」など、相手が重視する要素を見極める
- ●そのキーワードが持つ意味を多角的に捉える
- ●相手が求める本質的な価値を理解する
3.ニーズに合致する具体的な提案をする
- ●店舗や商品の強みを、相手の求める要素に合わせて提案
- ●複数の価値要素を組み合わせて説得力を高める
- ●具体的な事例や数字を交えて説明する
活用シーンの例
- ●新規取引先との商談時
- ●商店街やイベントへの出店交渉時
- ●地域メディアへのプレスリリース作成時
- ●新規顧客との接客時
- ●リピーター獲得のための販促企画立案時
ちなみに、この洋菓子店については、オープン効果で売上が落ち着く前に、この思考法を活用した次の販促展開を準備しています。その具体的な取り組みと成果については、また改めてご報告させていただきます。
「A4」1枚アンケートの質問項目は、単なるお客様の声集めのツールではありません。この思考法を日々の経営に取り入れることで、販促だけではなく、販促、広報など、様々な場面で再現性の高い成果を生み出すことができるのです。
ぜひ、明日からの店舗運営に取り入れてみてください。
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この記事を書いた人
「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー
神南 臣之輔
「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー 静岡支部の神南です。
経営者が現場の第一線で活躍しながら、自身がお店の広告塔として情報発信にも力を入れている 小さなお店を対象に集客や販促コンサルティングを行っています。
中でも、ライバルが多くても「あなたの商品だから買いたい!」と何度も喜んで買ってくれる店主のファンを増やすSNS・チラシを活用した販促を得意としています。