投稿日:2024.12.13
前回もお伝えしたように、「教育コンテンツを作りたい」「オンラインセミナーを開催したい」というご相談は、以前と比較しても大変増えてきています。この背景には、オンライン教育の市場が広がり、誰でも簡単に教材やセミナーを作れる環境が整ってきたことがあるのでしょう。
一方で、こうした需要の高まりに伴って、こんな声を耳にすることも増えてきました。
「オンライン教材を作ってみたけれど、全然売れません」
SNSで告知をしたり、既存のお客様に案内を送ったり、さらにはWEB広告まで投入しているのに、なかなか結果が出ない。そんな状況に苦しんでいる方が少なくないのです。
「うちは有名な会社じゃないからな~」と自社のブランド力不足を嘆くような言葉を耳にすることもありますが、私も無名な会社のコンテンツの販売だったり、実績に乏しいスクールの立ち上げに関わってきた経験があるので、そう言いたい気持ちはとてもよくわかります。
確かに販売者の知名度や、それに伴うコンテンツへの期待感に販売数が左右される場合もあるでしょう。また「コンテンツの内容を変えたほうが良いのか」と不安に思うこともあるでしょう。
でも、多くの場合、売れない理由はそこではありません。むしろ、コンテンツの打ち出し方(表現方法)に改善すべきポイントが隠れていることが殆どです。
今回は、その「売れない原因」と「具体的な改善策」をお伝えしていきます。
なぜ売れないのかを検証する3つの質問
教育コンテンツを作る事業者の方々は、豊富な経験やノウハウ、そしてそれを広めたいという熱い想いをお持ちの方が多いです。しかし、そうした「自信」と「想い」が強いからこそ、気づかずに陥りやすい"落とし穴"があるのです。
そこで、私自身が売れないコンテンツを改善する際に問いかける3つの質問をご紹介します。
1. コンセプトが弱くないですか?
教育コンテンツの売上が伸びない大きな原因のひとつは、「コンセプトの弱さ」です。
例えば、次のような質問に明確に答えられるでしょうか?
- 誰に:このコンテンツは、どんな人のために作られているのですか?
- どんな効果を:それを受講することで、どんな変化や成果が得られるのですか?
- どんな方法で:どのような方法を使って、その効果を実現するのですか?
- 目新しさ:他と比較して、このコンテンツの目新しさはどこにありますか?
これらが曖昧なままでは、どんなに素晴らしいノウハウが詰まっていても、受講者にその価値が伝わりません。誤解を恐れずにいうと、コンテンツ商品はカタチが無いだけに良さそうに見えるかどうかがカギです。
そして、コンテンツが良さげに見えるかどうかは「コンセプト」によって決まると言われています。
「コンセプト」はお客様から見たコンテンツ商品の外観です。見た目が良いか悪いかは商品を選ぶときの基準の一つになりますよね。当然、中身が大切ですが、売れない時には相応の外観を備えているのかの検証が必要です。
2. スペック推しになっていませんか?
教育コンテンツのPRで陥りがちなのが、いわゆる「スペック推し」です。例えば、次のようなアピールをしていないでしょうか?
- 「〇〇分野で30年の実績があります」
- 「10時間以上の豊富な動画教材と100ページを超えるテキスト付き」
- 「〇〇理論に基づいた最新の教授法を採用!」
確かに、これらは商品の"特徴"や蓄積してきた経験を主張することは重要なことです。でも、このような訴求はお客様が求めていてこそ効果があります。このスペックの情報で終わってしまうと購入の決め手に欠けるのです。
もっと直感的にお客様が本当に知りたいのは、
「で?それを学んだら私はどうなるの?」
つまり、「その商品が自分の人生や仕事にどのようなプラスをもたらすのか」というお客様にとっての"ベネフィット"こそが重要なのです。
3. 詰め込み過ぎてませんか?
教育コンテンツを作る側は、自分の専門性や経験を強みにして制作を進めて行きます。しかし、その"プロ目線"が強すぎてしまうと、受講者が求める視点とはズレてしまうことが多々あります。
例えば、「我々のコンテンツはここまで行き届いている」「こんな機能もある」といったアピールをしていませんか?
特に先生業・専門家の方は専門性が非常に高いため、日常使っている言葉をそのまま使用すると、専門外の人にはなかなか理解ができません。
さらに、チラシやランディングページにもズラリとカリキュラムが並んでいるのをよく見掛けますが、そういった打ち出し方は「〇〇試験合格のための講座」などの受験勉強系以外ではあまり効果がありません。(受験系は情報量が多そうに見えるほうが喜ばれます)
お客様はこれもあれも全部教えてもらえることを望んでいるわけではありません。むしろ一気にお伝えするとアタマがいっぱいになって購買意欲は低下してしまいます。
「最初はこれだけやっていれば大丈夫」とプロが取捨選択し、使いこなせる適切な分量に絞り込んであげることが重要です。他にもある様々な大切なことは、中に招き入れてからゆっくり丁寧に教えるような気持ちでいるほうが結果的に良いと思います。
疑似体験してもらうことが大切
お客様が求めているのは、具体的な"疑似体験"です。この教材を使ってどのように成果が出たのか、その過程を具体的にイメージできる情報を欲しがっています。
購入前に「私も同じように成功できる!」と感じたいのです。これが明確でないと、購入までのハードルが非常に高くなります。
疑似体験を通じて「私もそうなれるんだ!」と確信できると、購入意欲が格段に上がります。そのために、過去の受講者がどのような課題を抱え、教材や講座を活用することでどのように変化したのか。そのプロセスを具体的に示すことが重要です。こうした成功事例や体験談があれば、お客様は自分の未来像を重ねやすくなり、「自分にもできる」と思えるのです。
もしお客様が一人でもいるなら
では、これらの問題をどのように解決すればよいのでしょうか?
私がおすすめするのが、「A4」1枚アンケートを受講者に書いてもらうことです。「A4」1枚アンケートの質問事項を基にインタビューすると面白い回答がもらえるかもしれません。
受講するお客様がまだいないなら、はじめはモニターを募りましょう。このアンケートで得た回答をもとにチラシやLPなどの広告物を作成することで精度の高い訴求が出来るようになります。
特に、「これを受講すると私はどうなれるの?」という回答に対して、アンケート結果を基に明確に回答できるようになるでしょう。要するに、受講者にとってのベネフィットが明らかになるというわけです。
最後に
教育コンテンツが売れない原因の多くは、「その価値の伝え方」にあります。あなたの商品が持つ素晴らしいノウハウや経験を、正しく伝えるためには、お客様目線を取り入れた改善が必要です。
「A4」1枚アンケートを活用し、コンセプトを強化し、ベネフィットを明確にすることで、あなたの教育コンテンツはより多くの人に届き、結果につながるはずです。
(お知らせ)
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。私たちのビジネスでも「で?それをやるとどうなるの?」への回答としての【疑似体験】て非常に重要ですよね。他社が出した結果をなぞって、自社に置き換えてみる。
これって、ビジネス書の何倍もの価値があると思います。
当協会では1/28(火)に成功事例公開セミナーを行います。まさにあなたが疑似体験できる事例が6つ紹介されます。成功の道筋をイメージしてみる格好の題材が揃っています。是非ご参加ください
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