投稿日:2023.07.27
京都の「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー小宮康義です。教育機関・スクール業・講座ビジネス・士業・専門家などの「教える業」「ビジネス支援業」のための実践的な販促やコンテンツ企画を専門としています。中でも、売り込まずに自然に価値を伝える見込客教育・セールスプロセスの設計が得意です。スクール業・士業事務所・各種専門家や先生業へのサポート実績多数。実務教育・スクール業界20年の経験を活かしてお手伝いします
わたしは日頃、教育業やビジネス支援業などカタチが無い商品やサービスを扱う業種の方に対しての販促やコンテンツ企画の支援を中心に行っています。特にここ3~4年はスクールビジネスのオンライン化に関する相談が急増した印象があります。
小中高はもちろん、大学や専門学校も完全に通学できるようになりほぼ日常を取り戻していますが、近畿2府4県ではコロナ禍でいち早くオンライン授業を導入した私立学校に人気が集まっているとか(7.25産経新聞)。
一方で、語学・国家資格取得・その他様々な知識やスキル取得などの“ビジネス系教育”についても完全オンラインの講義を提供するスクールが増加し、次々に新しいサービスを生み出しています。
コロナよりもずっと前からIT化が進み、Edtech(エドテック=Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語。)などのコトバと共に、テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービスが、コロナ禍で一気に加速していきました。
これにより受講する側の利便性が大きく高まったことも事実です。
もちろん、私も業界のIT化に反対するものではありませんし、これには喜ぶべき側面も多々あるのですが、一方では非常に困った問題もはらんでいます。
いくらIT化が進み、WEB講義でコトが足りるとはいえ、受講者と運営側の対話する機会が減った結果、お客様の気持ちが以前よりも掴みづらくなっているのです。
お客様の気持ちを理解できなくなると、どんな不都合が起こるのか?
今回は私の実感している弊害とその対応策について書いてみたいと思います。
お客様が見えないと起る具体的な弊害5つ
私自身が気付いていないものも含めるともっとあると思いますが、今回は私が実際に目にした・感じたものの中で、最も気になった5つの弊害について取り上げてみたいと思います。
- お客様の利便性より自分たちが楽なほうに流される
合理的な業務フローを構築することは非常に大切なことです。しかし合理性を追求するあまりに柔軟性のない対応になってしまっては本末転倒。
IT化や非対面の割合が増えるにしたがって業務効率はアップしていきますが、合理性と手抜きは紙一重の側面もあるので、やはりお客様の反応を見ながら進めていく必要があると思います。
- クレームへの対応が遅くなる
クレームや要望には迅速に対応しなければならないのは当然ですが、面識がある人からのクレームと知らない人からのクレームでは、担当者の受け止め方はやや違ってくるようです。
理不尽なクレームには別の対応方法が必要ですが、明らかにこちらのミスによるモノであれば、その人の気持ち寄り添った対応が求められます。何らかのカタチで日頃からコミュニケーションを取ることが大切だと思います。
- 機械的な対応になる
実際の人物を思い浮かべられないと機械的な対応になり、お客様(受講者)の気持ちに思いが至らないケースが増えます。喜ばせようとか、ひと手間を掛けるという発想が出づらくなりがちです。
- プロ目線になる
お客様との対話や接触が少なくなると、販売促進やマーケティングでも自社商品やサービスに対する客観的な視点(お客様目線)が失われて、商品の強みやお客様の気持ちがわからないプロ目線に陥ってしまいます。その結果、どんどんお客様との心理的な距離が増大していくことになりますので注意が必要です。
- 自社に合わない人に売ってしまう
販促や広告では、出来ることとできないことが明確に表現されていること、それがお客様に確実に伝わっている必要があります。うちのスクールはどんなお客様が喜んでくれるのか?これを明確に把握し、パンフレットやホームページに表現し、理解を促進することが大切です。
お客様が購入前(入会前)に想像していた「このスクールに入ると実現できること」にズレが生じるとクレームが発生し、SNS等への書き込みによってマイナスの口コミに発展するケースもありますので注意が必要です。
お客様の気持ちを知るために(オススメ)
ではお客様の気持ちを理解するためにどのような対応が考えられるでしょうか?
特に教育業の場合は長期で関わるので、生徒さんが在籍している間はずっとコミュニケーションをとりつつ、様々なことについてリサーチが出来ます。通学してくるならさほど問題にはなりませんが、通信(オンライン)の場合にはコミュニケーションを取り続けるしくみが必要です。以下にはいくつか例を挙げておきます。
◯オンライン面談を取り入れる
私自身がよくお勧めしている方法です。チューター制度(担任制)を導入し、受講者一人一人のカルテを作成。定期的なオンライン面談を実施しながら、進捗状況確認や困りごとの相談などが出来る環境を作ります。スタッフの数にもよりますが受講者が200人規模程度までなら、一人につき10分/月1回(予約制)、1日6~7件程度、3~4人のスタッフで回すことが可能です。
この時間はあくまでも「最近どうですか?」という状況確認とアドバイスに留め、少し時間が掛かる相談については別途予約制にして対応します。
最近ではチャットを開設し対応している例もあります。しかし短期かつ少人数なら対応可能ですが、送信者側は24時間いつでもどこでも気軽に相談できるのが災いして、対応する側がその数に追いつけず返信に時間が掛かることでトラブルになっている例もあるので注意が必要です。
◯コールセンターをつくる
これはある程度の規模感になるとお勧めできる方法です。オンライン面談と同様、進捗確認や質問の受付などを行いながらコミュニケーションをはかります。上手く機能しているオンラインスクールでは受講生から届いた感謝の手紙が、事務所の壁にところ狭しと張られています。
コールセンターとはいっても電話1台から始められますが、可能であれば他の業務をやりながらよりも専属のスタッフを置いた方が上手く機能するように感じています。
◯「A4」1枚販促アンケートをとる
現受講生とのコミュニケーションを取らなければならない理由は、何もお客様サービスのためだけではありません。既存の受講生の声に耳を傾け、何に悩み、どこ(競合)と比較し、何を不安に思い、何を決め手としてこのスクールを選んだのか?
それを明確につかんで販促やPRに活かすというのが最大の目的です。
ですから新規の受講者には必ず「A4」1枚アンケートを実施し、選ばれた理由を把握しておきましょう。
お客様目線の重要性をお伝えする新刊のご案内
今回は教育業界をテーマに、オンライン化でお客様の気持ちがわからなくなってしまったケースについて書いてきました。もちろん他の業界の方にも、自社に置き換えて読んでいただけるとうれしいのですが、それならもっとたくさんの事例や解決策があると自分事に置き換えやすいと思います。
そこで朗報です。発売以来18回もの増刷を重ねる『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』の著者であり当協会の設立者である岡本達彦先生が、お客様目線の重要性をお伝えする新刊を8月にリリースされます。
もしかするとお客様の視点や気持ちが見えなくなっているのではないか?と気が付き始めた賢明な経営者やマーケティング・セールスに関わっている方に是非読んでいただきたい書籍です。
多くの事例とお客様の声を聞き続けるしくみを共に学びましょう。
協会ノウハウについて詳しく知りたい方、自社の具体的な問題解決に活用できないか?等のお問い合わせは、是非全国にいるアドバイザーにお気軽にお問合せ下さい。
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