投稿日：2024.07.25

京都の「A4」１枚アンケート広告作成アドバイザー小宮康義です。教育機関・スクール業・講座ビジネス・士業・専門家などの「教える業」「ビジネス支援業」のための実践的な販促やコンテンツ企画を専門としています。中でも、売り込まずに自然に価値を伝える見込客教育・セールスプロセスの設計が得意です。スクール業・士業事務所・各種専門家や先生業へのサポート実績多数。実務教育・スクール業界２０年の経験を活かしてお手伝いします。

私はスクール業界や講座ビジネス、士業・専門家など、教える業やビジネスサポート業の販促・マーケティングやコンテンツ制作をお手伝いさせていただいています。

最近ではこのような業界以外にも、食品卸・楽器製造・旅行・伝統産業などにも、自社で培ってきたノウハウや経験をセミナーやオンライン講座で「教える」ことで、これまでのビジネスのやり方をモデルチェンジしてみてはどうですか？とご提案しているのですが、興味を持って相談してくれることが増えているように感じています。

一度、教育講座としてノウハウを学べるかたちにまとめておけば、顧客だけではなく、自社の社員・スタッフへの研修教材としても使えますからおススメです。

そこで今回は、経験やノウハウを「講座化」したい方に、「教える業」を今のビジネスにプラスするために、とりあえず何に取り掛かればよいかをお伝えできればと思います。

講座化には、企画から販売導線の設計まで、やるべきことがたくさんありますが、今回は特に重要な「講座の企画」と「カリキュラム作成」に焦点を当てて、５つのステップでご紹介します。

ロードバイク専門店を例に、「お客様が集まって、本業にも良い影響を与える講座」をつくる過程をお伝えしたいと思います。

講座化するための５つのSTEP

STEP１：大枠のコンセプトを決めよう

まずは、どんな講座にするのか、土台作りから始めましょう。

誰に（ターゲット）：どんなことで悩んでいる人に届けたいですか？
どんな結果（ゴール）：講座を通して、受講者の人生はどう変わる？どんな未来を描ける？
どんな手法（メソッド）：あなたや会社の独自のノウハウや経験で伝えたいのは何ですか？

例えば、ロードバイク専門店なら…

ターゲット：運動不足を感じていてスポーツを趣味にしたい40代男性

ゴール：ロードバイクの楽しさを知り、健康的な毎日を送れるようになる

メソッド：初心者でも安心！安全な乗り方講座＆自分にぴったりのロードバイク選びをサポート

後からドンドン変わってきますから、最初はこんな感じでどうでしょう？

STEP２：競合を調べてみよう（５つぐらい）

あなたの会社以外にも顧客サービスとして、講座やワークショップを提供している会社があると思います。そういうライバルが「誰に」「どんな結果を」「どんな手法で」講座を提供しているのか、上記の自社分析と同じように書き出してみてください。

おススメは、競合他社のWEBサイトを全ページプリントアウトして、自社の「ターゲット」「ゴール」「メソッド」と何が同じで、何が違うのか？それはどのような強みから来ているのか？逆に弱みは何か？などを色分けしたり、見比べられるように表にしておくと、あとから使えて便利です。

STEP３：あなただけの講座をデザインしよう

自社と競合他社の各項目を比較して、余り大差が無い内容なら差別化できていないので、「自社の強み」に基づいて変更出来ないか検討しましょう。

「誰に（ターゲット）」「どんな結果（ゴール）」「どんな手法（メソッド）」のどれかをズラすことが出来ればOKです。

例えば、このSTEP２でたくさんの自転車屋さんが、自社と似たような体験講座をやっていたとします。その際にまず考えたいのは「誰に（ターゲット）」を変えられないかを検討してみます。拡げたり、絞り込んだり、ニッチな悩みにフォーカスすることで、意外なターゲット層が見えてくることがあります。

一例として、ロードバイクなどに乗っている方の中には、お尻の痛みに悩んでいる方が少なくないようです。理由はサドルが硬く、細い（スマートな）仕様になっているため、長時間にわたり特定箇所に刺激を与えることになり、耐えがたいほどの痛みになることもあるのだとか。

もしお客様のなかにそうした声があるなら、『「誰に（ターゲット）」＝ロードバイクは楽しいし興味もあるけれど、お尻が痛くなるのがイヤで遠ざかってしまっている人』にするとどうでしょうか？

「誰に（ターゲット）」＝ロードバイクは楽しい。でもお尻が痛くなるから遠ざかっている。

「メソッド」＝お尻が痛くなる原因の解説から、痛くならない乗り方、簡単な体幹トレーニングの方法までをレクチャーし、実際に体験してマスターしてもらう。

「ゴール」＝お尻の痛みを気にせず、キレイな景色を楽しみながら爽快に走れる
ロードバイクに乗って、もっと色んな場所に行ってアクティブに楽しみたい！

こうしたお客様の悩みにフォーカスした講座を企画すれば、顧客教育・見込客教育ができ、次にロードバイクを購入する際には一番の候補として、あなたのお店が位置づけられることになるでしょう。

STEP４：講座の内容を具体的に決めよう

「どんな結果をもたらすのか（ゴール）」から逆算して設計することが非常に重要です。

ゴールとして、

〇単に知識として知ればよいのか？

〇自分自身でできるようにならないといけないのか？

〇人に指導できるようにならないといけないのか？

ゴールが違えば、やるべきことの内容は全く変わってきます。

最高の結果をもたらすためにはどれくらいの段階が必要なのか？手に入れたい結果に向けて一段一段の階段を準備するようにカリキュラムを作成します。

そして、カリキュラムを提供する形態（集合？オンライン？個別？）や標準（学習）期間、回数、金額などを決めます。

STEP５：すべての要素をパッケージングする

商品化としての仕上げはパッケージングです。「パッケージング」という言葉は様々な意味で使われますが、ここでは、カリキュラムの提供順序を決め、タイトル（キャッチコピー）を付け、特典や制約条件などを顧客に分かりやすく提示することで、商品としての価値を高めることを意味します。

カタチが無い商品やサービスの場合は、WordでもPowerPointでも何でも良いので１枚の紙で、お客様に見せることが出来る商品概要をつくるイメージです。チラシというよりも、旅行の日程が書かれた旅程表に近いかもしれません。以下、イメ―ジですが参考にしてください。

お客様の声を聞きながら修正する

STEP1～STEP５までが「ある程度」出来上がったら、販売の導線を設計していきます。
（販売の導線について、詳しくはまたの機会にします。）

「ある程度」と言っているのは、実際には販売をしながらカリキュラムなどは変更を加えていくからです。開発当初は受講者やクライアントとの対話を重ねるうちに、必ず不備な点や足りないところ、必要のない部分などが見えてきます。

講座をつくる側がどれだけ時間を掛けても完璧な講座はできません。

今は時代の移り変わりもどんどん早くなっているので、１年後いや半年後にはカリキュラムを見直す必要が出てくるかもしれません。だからこそ、どのようなカタチでも受講者との接触は欠かさないようにするのがポイントです。

その一つの手段として、「Ａ４」１枚アンケートの重要性はますます増していくと思います。

アンケートをとり、受講生との接触を重ねていくうちに、当初想定していたターゲットとは全然違ったということに気が付いたり、１年経ち２年経つうちに市場でのポジションが変わって、集まるターゲット層も変わってきたなどということも良くあることです。

そういった世の中の変化や人心の移り変わりに敏感に対応していくためにも、「Ａ４」１枚アンケートは強力な武器であることに間違いありません。

もし、自社のノウハウを講座化することに関心があるようでしたら、是非、既存のお客様に「A4」１枚アンケートを取るところから始めてください。

売れるコンセプトをつくるための意外な切り口が見えてくるかもしれません。

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