投稿日:2024.08.25
京都の「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー小宮康義です。教育機関・スクール業・講座ビジネス・士業・専門家などの「教える業」「ビジネス支援業」のための実践的な販促やコンテンツ企画を専門としています。中でも、売り込まずに自然に価値を伝える見込客教育・セールスプロセスの設計が得意です。スクール業・士業事務所・各種専門家や先生業へのサポート実績多数。実務教育・スクール業界20年の経験を活かしてお手伝いします。
私は、教育機関・スクール・先生ビジネスなどの業種に対して販促やコンテンツ企画などの支援を行っていますが、こういった教育機関や資格スクールなどは商品ラインナップが多岐に渡ることが多いです。
同じ会社・組織でも、それぞれのサービスや販売コンテンツが違うターゲットを想定するような場合や、社会の動き・時期によってターゲットが変化する場合には、その見極めがとても大切です。
しかし、日々の業務に追われていると、「誰に向けたメッセージなのか?」という基本をうっかり見失ってしまうことが少なくありません。私もそうしたうっかりミスをたくさんやってきました。
今回は、あるクライアントのランディングページで起きた問題を通じて、「今すぐ客」と「そのうち客」をしっかりと区別し、それぞれに合ったアプローチを取ることの大切さについてお伝えしたいと思います。
顧客の資格スクールからランディングページの反応が悪いと相談を受けたのは、先々月のことでした。
そのスクールは、順調に規模を拡大していたのですが、最近新しく公開したランディングページ(以下LP)が思ったように成果を上げないというのです。
「アクセス数はあるのに、コンバージョンが全然伸びないんです。」
その言葉に少しの不安を感じつつ、すぐにそのLPをチェックしてみることにし、実際にページを読み込み、デザインや構成、キャッチコピーまで目を通しました。
一見したところ大きな問題は無いように思えましたが、何度かページを見直し、細部に目を凝らしていくと、ある一つのことに気がつきました。
「そのうち客」をターゲットにしていたキャッチコピー
問題の原因は、キャッチコピーにありました。今回の企画としては「今すぐ客」に訴求したいところだったのですが、キャッチコピーが「そのうち客」に向けたメッセージになってしまっていたのです。
ここで、「今すぐ客」と「そのうち客」の違いについて少し触れておきましょう。
「今すぐ客」とは、すでに問題意識が高く、解決策を探している顧客層です。今すぐにでも購入や契約を検討しており、適切な提案があればすぐに行動に移します。
一方で、「そのうち客」は、問題意識はあるものの、まだ情報収集や検討段階にいる顧客です。即決ではなく、時間をかけてじっくりと考え、選択肢を比較した上で決断します。
どちらの層にアプローチしていくのかによって、全くメッセージは変わってきますので、細心の注意が必要なところです。
今回のスクールのLPは、ある資格試験の直前期に総まとめの資料を無料提供し、「合格間近の受験生(ある程度実力がついている人)」のリストを取得するのが目的の企画でした。
この場合は「直前期」ということもあるので、名前やメールアドレスを登録してもらい、いち早く資料をダウンロードして役立ててもらうための訴求が必要なところです。
ただ、キャッチコピーを見ると、「直前期に入る前に知っておこう!2024狙われる出題ポイントチェック集」(ホンモノは出せないのでイメージです)となっていました。
一見、これで良さそうな感じもしますが、これまでの受験生の動向をリサーチしたところによると、実は1年や2年かけて真剣に受験勉強に励んできた受験生は、こういった「直前ヤマ当て」的な印象の訴求には反応しづらい傾向にあるということが分かっていました。
こういった訴求にはどちらかというと、来年以降の受験を目指すために受験勉強の入口で傾向を知っておきたい、もしくは試験は受けるけれど勉強は進んでいない人が欲しがる内容に思えました。
その結果、合格間近な受験生=「今すぐ客」たちは、ページを訪れてもすぐに興味を失い、他のサイトへと流れてしまったのではないかと仮説を立ててキャッチコピーやオファーを再検討することにしました。
今回のターゲットは「今すぐ客」
このスクールでは普段から、見込客リストを獲得し、見込客との関係性を構築しながら問合せにつなげるという手法をとっています。
これは「そのうち客」を対象にした教育型のマーケティングと言える方法で、見込客リストに対し時間をかけて信頼を築き、最終的に顧客になってくれるよう設計されています。
しかし、今回のターゲットは合格間近の「今すぐ客」です。
問題意識を持ち、時間を費やしてチャレンジしながら、そこで発生する問題点に対しリアルな解決策を探している人たちです。彼らに対しては、教育型のアプローチは時間がかかりすぎ、むしろ機会を逃してしまう恐れがあります。
そこで検討の末、合格間近の受験生が「今すぐ欲しい」と思えるプレゼントになるよう、コンセプトから見直し、「テキストをギュッと濃縮!120分/全知識総チェック集」(イメージ)のようなヤマ当てではない、すべての知識をモレが無いか総チェックできるというオファー内容とキャッチコピーに変更することになりました。
その後、このLPのコンバージョンは2%台だったものが7%まで上昇したという報告を受けています。こうした資格試験の直前期には受験生の心理も変化しやすく、1週間も経てば状況が変わっているケースもありますから、その影響も加味しなければなりませんが、数値的に回復してきたのは確かだろうと思います。
曖昧になりがちなターゲット設定の重要性
今回のケースは、ターゲット設定がいかに重要かを再認識させるものでした。どんなに素晴らしいコンテンツやデザインを持っていても、ターゲットが明確でなければ、そのメッセージの効果は半減します。
多くのマーケティング担当者が陥りがちなのは、「誰にでも刺さる」メッセージを作ろうとしてしまうことです。しかし、実際には、特定のターゲットに向けたメッセージが最も効果的であるというのは読者の皆さんもご存じのとおりです。
私もたくさん苦い経験をしていますので、この点には細心の注意を払うように心がけています。
現在は、クライアントとの打ち合わせでマンダラ広告作成法シートを使用して情報を整理することが多いのですが、様々なヒヤリングをしながらシートを完成させるプロセスでは、特にターゲット設定に神経を使います。
ターゲットが「今すぐ客」なのか「そのうち客」なのかを明確に決め、その上でキャッチコピーやオファー内容、ページ構成を練り上げていくことが大切です。
マンダラシートは社内で、社員さん同士でブレストするにも最適なツールですから、ぜひご活用ください。
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まとめ
今回のクライアントの事例を通じて、ターゲット設定の重要性を改めて実感しました。皆さんも、マーケティング活動を行う際には、まず「誰に向けているのか?」を最優先に考えていただければと思います。
ターゲット設定を間違えると、せっかくの努力が無駄になってしまうこともあります。今後も、しっかりとターゲットを見極め、それに合った戦略を立てていくことが大切です。
マーケティングはあらゆる角度からの検証がカギとなり、致命的な見落としをしてしまう場合もありますから、基本を押さえた上で柔軟に対応していくことが大切です。ぜひ、今回の記事を参考に、ターゲット設定に間違いが無いかを再確認してみてくださいね。
もし今、売れないチラシや反応が無いLPがあるようでしたら、ぜひお近くのアドバイザーにご相談ください。きっとこれまでとは違うアドバイスが得られると思います。
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