投稿日:2025.10.12
先日受けた相談にて。
「ウチの講師もカリキュラムも、他と比べてそんなに悪くないと思うんですけどね…」あるスクール経営者の方が、少し苦笑いしながら話してくれました。
「内容も悪くないし、コンテンツにもこだわりを持っている。でも、競合と比較されて負けている。なぜなんだろう?」
確かに内容は悪くありません。スタッフも一生懸命やっていて好感が持てる。
けれど、確かに他と似たり寄ったりで特徴があまり無い。正直言えば大手のようにたくさんの人を集めようとして、逆に尖がった魅力が無いようにも感じられました。
対象となるお客様のアタマの中で、どのような位置を取りに行きたいか、そしてどのように記憶されているのか?そもそものポジショニング(立ち位置)が決まっていない印象でした。
■ 全部で勝とうとしなくていい
ビジネスで成功するために「大きな業界で一番」になる必要はありません。
もちろん業界1位になろうという意欲は素晴らしいですが時間が掛かりすぎます。
大切なのは、お客様の頭の中で「この地域なら○○」と思い出してもらうこと。
つまり、すべてで勝つのではなく、カテゴリーを絞って一番を取りにいくという考え方が大切だと言われています。
これなら何とかなりそうな気がしませんか?
たとえば「パン屋」なら、“街で一番おいしいパン屋”になるのは大変ですが、
“分厚いたまごサンド“が人気のパン屋”でも充分記憶に残ります。
しかもこの“一番”は、誰かに与えられるものではなく、自分でつくることができるのです。
■ 一番の分野は自分でつくる
「自分が得意なカテゴリーの中で、お客様が喜んでくれるものは何か?」
この問いの答えが、そのまま自社のポジションになります。
どこで「一番」「唯一無二」を取りに行くのか?以下は私が身近に知っているほんの一部の例ですが、まずはこんな感じで充分だと思います。
- 「カツカレーパンが学生に大人気のパン屋さん」
➡カレーパンが美味しいお店は沢山あるけど、トンカツ入りは珍しい - 「軽度な虫歯なら1日で治療完了してくれる歯医者さん」
➡おおよそ3~4回の通院が普通。1回で直してくれるのはありがたい - 「明日の商談に備えて!22:00まで営業する理髪店」
➡駅構内の散髪屋。残業が多い忙しいサラリーマンに人気 - 「伝統産業向けの銀行融資獲得数で地域No.1の税理士」
➡実家が伝統産業を営む税理士。伝統産業の特殊性に絞り込んで地域一番を宣言
ニーズがある分野で、自社が出来ることを明確にすれば、少し切り口を変えるだけで記憶に残る存在になることが出来ます。
■ 有名・無名は関係ない
ポジショニングが明確であれば、広告費を掛けなくても集客出来ている事業者は沢山あります。SNSをしていなくても、極端な話ホームページがなくても、紹介や口コミだけで安定している人もいます。
なぜならお客様の頭の中に「・・・なら〇〇」という位置を獲得しているから。
有名かどうかよりも“特定の誰かに強く刺さる存在”であることが大事です。
■ 事例:「バックパッカー志望者に愛された英会話スクール」
もう十数年前の話になりますが、私が仕事で関わらせてもらった英会話スクールでは、周囲に企業や役所がある環境から、当初は「海外出張でも困らない英会話力が短期間に身につく」ことを打ち出していました。
代表の方に話を聞いてみると、「仕事で海外に行く人の中にも英語が苦手な人は沢山いる。そんな人にはぜひうちのスクールのノウハウを活用して短期で話せる自信を持たせてあげたい」という話でしたが、反応はいま一つでした。
短期間で英会話力を身に着けられそうなスクールは、他にも大手スクールなどが沢山あって、埋もれてしまっていたのです。
しかも通ってくるのはターゲットにしていたビジネスマンではなく、学生が多いとのこと。当時の生徒にその理由を聞いてみると、「先生のバックパッカー時代の話が面白くて、実際の場面をイメージしやすいから楽しく英語を勉強できる」という趣旨の回答が多かったのが印象的でした。
先生自身が若いころバックパッカーとして海外を放浪し、何十カ国も渡り歩いた末に、帰国して開業した英会話スクールだったことで、そのことが一部学生に広まり、バックパッカー志望の学生のたまり場になっていたわけです。
それに気が付いてからは教室に世界中の地図を貼り、各国の「地球の歩き方」を揃え、格安航空チケットの取り方なども情報として提供するようになりました。
さらに併設したカフェでは、仲間と海外の情報を共有したり、放浪して帰国した先輩たちからも体験談を聞いたりできるとあって、その地域では知る人ぞ知る、バックパッカー志望者にとっては唯一無二の英会話スクールになっていったのです。
先生がご病気のために、残念ながら閉校してしまいましたが、『何をもって覚えてもらうか』をニーズに合わせて意図して作りこんだ結果、人気スクールになった一つの事例として大変心に残っています。
■ ポジショニングが決まると一貫性が生まれる
ポジショニングが明確になると、チラシもSNSもホームページも、発信する言葉がすべて一本の線でつながります。どの入口から来ても、伝わるメッセージが同じ。
それが“安心感”と“信頼”につながり、売り込まなくても選ばれる状態が生まれます。
■ これから自社のポジションを見つけるなら「A4」1枚アンケート
とはいえ、自社のポジショニングを見つけるのはなかなか難しいものです。
でも冒頭でもお伝えしたように、自社の強みとお客様のニーズが合致するポイントがあり、お客様のアタマの中で「どのように記憶されているか」がポジショニングなのだとしたら、まさに「A4」1枚アンケートを使って、お客様に直接聞いてみるのが最高の方法ということになります。
- 「購入前にどんなことで悩んでいましたか?」
- 「なぜ、数ある中から私たちを選んでくれたのですか?」
この2つを聞くだけで、あなたがどんな価値で選ばれているのかが見えてきます。
つまり、お客様の声こそ、あなた(御社)がどこに立っているのか?を教えてくれる鏡だと言えそうですね。
■ まとめ
今回は私が相談を受けたことをキッカケとして、ポジショニングについて書いてみました。これが定まれば、集客も販売もスムーズに流れ始めます。
お客様のアタマの中であなた(御社)がどのように位置づけられているのかを、「A4」1枚アンケートで掘り起こしてみてください。あなた(御社)が一番になれる場所を見つけるためのタネがきっと見つかります。
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