投稿日:2022.08.23
大阪で「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーとして活動している浅野と申します (プロフィール) 。現在は独立系の不動産コンサルティング会社を経営しています。 30年以上にわたり、一貫して不動産オーナーの土地の有効活用や賃貸マンション・アパートの入居率改善のお手伝いを行っています。中でも「事業総額80億以上、累計1万室の募集実績」をベースに体系化した「賃貸マンション・アパートの入居率を高める販促プログラム」の提供が得意です。 「A4」1枚アンケートやマンダラ広告作成法を使っての「マイソク(募集チラシ)」作成や改善も定評があります。空室に困っているオーナー、入居率を高め戸数拡大を図りたい管理会社を応援していきます。
賃貸マンションやアパートの経営において、いろんな角度から不動産オーナーが入居者さんへのアンケートを取る必要性について書いてみたいと思います。それは、不動産賃貸経営の業界構造によるところでもあります。今回は、「不動産オーナーおよび管理会社がアンケートを取る必要性は?」についてお伝えします。
1.賃貸住宅・アパートにおいては、お客様の声(顧客視点)を知ることは不可欠です。
現在、賃貸経営において収益を改善するための不動産オーナーさん向けの講座を運営しています。その講座の中で自身の物件(マンションやアパート)の強みを書き出すというワークを行います。その際、「自分の物件の強みは思い浮かばない」「弱点はすぐに思い浮かぶけど、なかなか強みといっても・・」という声を聞きます。
とはいえ、実際にまったく新しい入居者が決まらないマンション・アパートは少ないといえます。現在の状態でもお部屋を見て、決めてくれる方が必ずいるはずです。つまり、選んでくれる理由が何らかは存在しているはずです。
ですが、その情報(選ばれた理由、決め手、強み)はなかなか、不動産オーナーまで伝わってきません。それは、業界における営業構造そのものにも原因があります。
簡単に情報の流れ(事業者からエンドユーザーまで)をフローチャートにしてみます。
上記のように、オーナーから見れば、間に管理会社、仲介会社を経て、入居者にまで情報(商品、サービスの告知)が届きます。最もシンプルな構造は「B⇒C」ですが、それに対して、「B⇒B⇒B⇒C」というように、そもそも入居者(顧客)までの距離が遠い業界構造にあります。
2. 自らお客様の声を取りにいかなければ、入ってこない
よって、不動産オーナー、あるいは管理会社の立ち位置からすれば、「お客様の生の声」「お客様視点」を得るには、積極的に働きかけていくしかありません。
とはいえ、契約が決まる度にインタビューのように直接、ヒアリングすることは現実的ではありません(相手にも余計な負担をかける、多くの契約がある場合は特に手間と時間がかかりすぎる)。そこで、アンケートを取るという方法が有効だといえるのです。具体例を見てみましょう。
1)顧客心理に沿った質問で情報を得られる
一番左の列にあるように、入居者(顧客)の心理段階に沿って、質問が展開されます。Q1:悩みや欲求からは、「どのようなことに悩んでいたのか、何を希望したのか」、Q2:媒体からは「何で知ったのか」、Q3:購入不安では、申し込むまでにネックとなったこと、Q4:決め手では、それでも申し込むにいたった決め手(これが強み)、そして、最後にQ5:住んでみての感想では、まさに生の顧客の声を拾うことができます。
2)「A4」1枚アンケートを取ることでの効果
では、実際にこのアンケートを実施してどのようなメリットがあるのでしょうか?この事例でいくつか挙げてみますと、
- 今まで全くわからなかったお客様の生の声を聞き(知り)、どうして決めてくれたのか、何が良かったのか、住んでみてどうか、等に興味関心が出るようになる(顧客満足が得られているかへのアンテナが立つ)。
- マンション管理業務の際に、ちょっとした挨拶等でもより相手を知った上でのコミュニケーションが図れる(これは女性オーナーから聞いた事例です)
- 思っても見なかった当たり前のことが、決定要因になっていることがわかった(例えば、女性入居者の防犯意識に訴えるTVモニター付きインターホン、買い物が便利な立地、ネット無料やLED電灯など節約意識に響くもの等)
- 何がひっかかっていたのかを具体的に知ることができ、対策を打てる(収納が少ない⇒収納グッズ等で収納力を上げる工夫)
- オーナーは、部屋が狭いという弱点に目が行っていたが、1人入居では広さよりも立地の利便性や室内や共用部のキレイさ等が重視されていることがわかった
というように、積極的に働きかけていなければ、まったくわからなかったことを知る、理解することができるようになります。
3)改善点を得られるということも
そして、これは本来の意図とはやや違うのですが、一部には改善要望などが出てくることもあります。ただ、それも全体の8~9割は上記の質問に沿ってでてきているプラスの視点の答えが多いため、クレームというよりは、「できれば改善してほしい」というようなリクエストという感じが多くなります。あるオーナーは、対応できる範囲のことにはすぐに取り組み、改善を図っておられます。これも、アンケートをとっていなければ、まったく気づかず、将来の退去理由になってしまうようなこともあるといえます。そういった予防効果(住まいの満足度を上げて、将来の解約要因を減らす)も出てきています。
ちなみに、ここで実施する「A4」1枚アンケートの内容につきましては、こちらの本に詳しく書いてありますので、是非、参考にされてください。
3.まとめ
今回も、「入居者アンケート」の必要性について書いてみました。もともとオーナー(家主)とエンドユーザー(入居者)の距離が遠い構造にあるがゆえに、一般的には成約した失注したというような結果しかわかりません。ですが、実際に決めてくれたお客様は何らかの「決め手となる理由」があったからこそ、申し込んでくれています。その貴重な情報を積極的に取りに行き、販促や運営改善に活かすことは、1年、3年、10年と続けていけば、大きな差になっていくと言えます。
そして、このことは、オーナーのみならず、実際の集客や運営管理業務を担う管理会社さんにとっても、非常に大事なことです。入居者に対して行う「A4」1枚アンケートのノウハウを持っていることが、入居率アップ、解約を減らす、改善のためのPDCAサイクルを回すために必須となるからです。
ぜひ、不動産オーナー、管理会社の方も、入居者さんへの「A4」1枚アンケートに取り組んでみませんか?
引き続き、今回の「入居時アンケート」や「マンダラ広告作成法」をどう販促に活かしていくのかの具体例、それ以外のマンダラ広告作成法の活用法など賃貸マンションやアパートの「入居率」を高める手法については引き続き、扱っていきたいと思います。読んでいただき、有り難うございました。
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