賃貸マンションの販促において、複数のターゲット仮説を立てることの重要性

投稿日：2022.09.23

大阪で「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーとして活動している浅野と申します（プロフィール）。現在は独立系の不動産コンサルティング会社を経営しています。 30年以上にわたり、一貫して不動産オーナーの土地の有効活用や賃貸マンション・アパートの入居率改善のお手伝いを行っています。中でも「事業総額80億以上、累計1万室の募集実績」をベースに体系化した「賃貸マンション・アパートの入居率を高める販促プログラム」の提供が得意です。「A4」1枚アンケートやマンダラ広告作成法を使っての「マイソク（募集チラシ）」作成や改善も定評があります。空室に困っているオーナー、入居率を高め戸数拡大を図りたい管理会社を応援していきます。

賃貸マンションやアパートの経営においては、様々な属性（年齢、性別、家族構成、引っ越し理由）の方が入居されます。同じ商品（賃貸マンション）でも、複数のターゲットが存在しています。これは、不動産賃貸に限らず、他業界でも同じかと思います。今回は、「複数のターゲット仮説の重要性」についてお伝えします。

1．賃貸住宅・アパート事業は、多様な見込客（入居者の属性）を対象にしている

賃貸住宅・アパート事業は、「住居」という生活インフラを扱っています。そして、商品（賃貸マンション、アパート）は数千万～数億という高額な投資になること、投資回収期間が20年以上かかるなどの理由により、一度、建築した建物（商品）は簡単には変更することはできません。

よって、間取りによってある程度は絞り込まれるとはいえ、時代に合わせて多様な入居者の方を集客していく必要があるといえます。例えば、2ＬＤＫ 50㎡という賃貸マンションの場合では、

夫婦（あるいはパートナー）2人入居。それぞれ働いているDINKS（共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦、またその生活観のことを指す。）
シングル（マザーorファザー）＋子供1～2人
単身者で広い部屋に住みたい方
社宅として2人入居

などの、多様なニーズが存在します。東京のように人口、世帯数という基礎的な市場が大きい場所の場合、ターゲット客層を絞り込んでハード（建物、設備）を特化した仕様にすることはあり得ますが、その他、多くのエリアでは、ハード面は汎用性を高く（なるべく多くのニーズに対応できるような）、使い方（生活シーン）のバリエーションを増やし、ソフト面では、それぞれのターゲットに絞り込んで販促していくことになります。具体例として、とある郊外にある2ＬＤＫにおけるターゲットを複数想定して、その仮説に基づいて、どのような販路、販促をおこなっていくかを考えるためのシートを示します。

上記のように、ここでは6つのターゲット仮説を立てて、優先順位の高いターゲットから販促方針を立てていきます。6つは多いように感じますが、それでも想定外の方からの問合せもありますので、実態はもっと多様だといえます。ちなみに、1ルームなどもっと小さな間取りの場合は、ターゲットは少なくなる傾向にあります。

2．ただし、複数のターゲット仮説を考えるのは大変

ですが、3つ、あるいはそれ以上のターゲット客層を想定し、そのニーズ仮説を立てて、販促方針を考えるのは簡単ではありません。

そこで、非常に役に立つ武器となるのが、「マンダラ広告作成法シート」です。

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1）ターゲット（となる方の不満、欲求、希望等）を考えるためのキーワードが埋め込まれている

⑤ターゲットコピー：この部屋を借りて喜ぶ人はどんな人（状態）？

～してしまう（やめられない）
～に不安がある（不満がある）
～が出来ない（わからない）
～で悩んでいる（困っている）
～を考えている（検討している）
・
・
・

等、普遍的な欲求や不満、課題を考えるためのキーワードが埋め込まれていますので、それをトリガーにして発想を広げていくことができます。

2）商品の強みから考えることもできる

1）のようにターゲットのニーズから考えることと、逆に、商品の強みを喜んでもらえるターゲットを想定するという流れも重要です。マンダラ広告作成法シートでは、下記の質問があります。

②ボディコピーライバルより勝っている所は？（拘りや目新しさOK）対応（フォロー）

・使い道
・所持（道具・仲間）
・素材（材質・内容）
・技術（作り方・やり方）
・人（作った・やる人）
・ルート（仕入れ）
・特典

ちなみに、賃貸マンション・アパートの場合は、マンダラ広告作成法シートとともに、商品となる部屋の間取り図を見ながら、どのような使い方、生活動線、シーンが想定できるかを考えることも大事です。その場合、自分なりに、間取り図を手書きで色分けして塗りながらゾーニングしていくことをおすすめしています。手書きというアナログな方法で間取り図をしっかりと頭の中に入れていくプロセスは想像以上に重要です。別の物件の事例ですが、サンプルを提示しておきます。