課題解決に向け「A4」1枚アンケートからどのように展開したのか具体的な内容

はじめに手を付けたのは、以前から販売している「赤ちゃんプラン」です。宿泊業界では近年赤ちゃん連れファミリーの市場が伸びており、同館においても自社サイトのみで、平日大人ひとりあたりの宿泊単価が2万円台中盤から4万円と高額商品だったにも関わらず、常に売れ筋TOP３に入る人気プランでした。（特典はついていますが、値引きはしていません。現在施設リニューアルに伴い、4万円/人のもののみの販売となっています）
そのため、当初経営陣をはじめスタッフ全員が「これだけ売れているのだからこれ以上は伸びないんじゃないか？」と思っていました。 しかし、実際に宿泊されたお客様のアンケートを分析していくと、いかにこれまで「売り手目線」のPRをしていたかを実感することになります。
「Q1.赤ちゃんプランを申込まれる前はどんなことをお考えでしたか？」の回答を見てみると、「赤ちゃんと一緒でも安心して温泉旅館を楽しみたい」と考えているお客様が多いことがわかりました。アンケートを取ってわかったのですが、元々使用していた「3世代」というキーワードはどこにも出てこなかったのです。

次に、「Q５.実際に宿泊されていていかがですか？」の欄には、「家族でお部屋食、お部屋の温泉でくつろげた」が多く挙げられました。これにより、これまでの宿泊プランページには、「じいじ、ばあばも一緒♪　3世代で楽しむ初めての温泉旅行はこれで決まり！」とキャッチコピーを載せていましたが、先ほどのQ1の回答と合わせて、
「赤ちゃんと一緒でも、安心して温泉旅館を楽しみたい方へ ・家族でお部屋食、お部屋の温泉でくつろげる赤ちゃんプランはいかがですか？」
とターゲットコピーとキャッチコピーを作り変えました。
またそれらに関して具体的に喜ばれている感想が書かれたものを「お客様の喜びの声」として掲載しました。

続いて、「Q4.何が決め手となって当館をお選びになりましたか？」の答えには、
「お部屋のお風呂も源泉掛け流しで赤ちゃんと一緒に家族で温泉入浴を楽しめる」
「朝・夕ともにお部屋食なので、人目を気にしなくていい」
「充実したベビー用品で安心できる」
が多かったので、これらを「選ばれる３つの理由」として打ち出しました。

最後に、「Q３.知ってすぐに申し込みましたか？しなかった場合はどんな不安がありましたか？」の回答として、
「子供の鳴き声で隣のお部屋の方に迷惑をかけないか心配だった」
「離乳食の対応はしてもらえるのかわからなかった」
「赤ちゃんでも温泉に入るのかどうかわからなかった（不安だった）」
と挙がってきたので、それぞれの対策を掲載することでお客様が事前に抱える不安を払拭してあげました。

作成した広告・販促ツールの図

「A4」アンケート導入前

「A4」アンケート導入後

写真による訴求効果もあるため、今回はあえてプラン説明文のみの変更にしました。
※宿泊プランページ全体の画像も有り

具体的な効果

改善翌日から予約が増加。
翌月の予約件数は、対前年１４６％と大幅に予約件数を伸ばしました。

事業者の喜びの声

当館では元々売れていた商品だったので、まさかこんなに伸びるとは思っていませんでした。正直お客様目線の強みの打ち出し方ひとつでこんなにも変わるとは・・・
他の宿泊プランでも実践してみます。