投稿日:2022.07.16
大阪で「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーとして活動している浅野と申します (プロフィール) 。現在は独立系の不動産コンサルティング会社を経営しています。30年以上にわたり、一貫して不動産オーナーの土地の有効活用や賃貸マンション・アパートの入居率改善のお手伝いを行っています。中でも「事業総額80億以上、累計1万室の募集実績」をベースに体系化した「賃貸マンション・アパートの入居率を高める販促プログラム」の提供が得意です。「A4」1枚アンケートやマンダラ広告作成法を使っての「マイソク(募集チラシ)」作成や改善も定評があります。空室に困っているオーナー、入居率を高め戸数拡大を図りたい管理会社を応援していきます。
賃貸マンションやアパートの経営において、入居者さんへのアンケートを取ることはあまり実践されていません。それは、アンケートを取ることで改善希望が出てくること、それに対応する手間が増えてしまうことなどを危惧してのことなのではないかと思います。今回は、入居者アンケートには、大きく分ければ3つの種類があり、その中で最も重要なアンケートは何かについてお伝えしていきたいと思います。
1.そもそも入居者アンケートの目的は?(何を聞くのか、いつ、何のために?)
さきほど、述べたように不動産オーナー、管理会社さんにおいて「入居者アンケート」のイメージはさほど良くないように思います。理由は、「改善点やクレームなどの内容が出てくるのではないか?(という恐れ)」「なかなか書いてもらえないので作成したり、配布したりすることも大変」「何のためにアンケートを取るのかが明確でない(のでやらない)」などがあるかと思います。
では、一般的に入居者アンケートとして実施される書式サンプルを見てみたいと思います。
上記は、退去時に取る入居者アンケートとしては代表的なものかと思います。そして、上記のサイトにおいては、この退去時に取る入居者アンケートの狙いについて下記のように書いています。
◆退去者アンケートでわかること
退去時にアンケートを行うことで、「退去理由」「お客様のニーズ」
「物件の魅力」を知ることが出来ます。
潜在的な不満や改善点を知ることで、空室対策や賃貸管理の対応に活かすことができます。
退去理由は「結婚」「帰省」「就職」「卒業」など個人的な理由や、「家賃が高い」「更新料が高い」などの契約関係や、「物件が汚い」「設備の不具合が多い」「管理会社の対応が悪い」など 管理関係についてなど様々な理由があります。
不満点や欲しい設備をお聞きすることで、
「無料インターネットが欲しい」「セキュリティーが心配だった」「トイレに棚を作ってほしい」など、改善点や入居者様のニーズを知ることが出来ます。
また満足した点・住んで良かった点では、「壁紙がかわいくて気に入っていた」「夜はとても静かで快適だった」「窓からの眺めが好きだった」など、ご自身の所有している物件の意外なアピールポイントが見えてきます。
【テンプレあり】「退去者アンケート」で入居率アップ!? 入居者様の声を集めて、空室対策につなげましょう!より抜粋引用
この退去時・入居者アンケートは、下記の目的があるといえます。
【目的】実際に住んだ方から、入居率改善につながる改善点やヒントを得て、改善を実施するため
【内容】退去理由を聞く/不満点や欲しい設備を聞く/満足した点や住んで良かった点を聞く
【時期】退去時にアンケートをする
この退去時アンケートを実施している不動産オーナーや管理会社さんは多くはありませんので、ここまで徹底することは有用かと思います。ただ、失礼ながらあくまでこれを読んで気になる点として、次のようなことが挙げられます。
- 退去理由は、外的要因(引っ越し、転勤、卒業、その他)が多いため、対処しづらい
- 質問全体を通して、「不満に思うこと」「あったらよかったと思う設備」「気になったこと」など、マイナスの情報を引き出す言葉が多い⇒これだと懸念しているようにマイナスの内容が増えそう
- (数年以上前に契約し)退去される方なので、指摘された項目を改善し、それが次の入居者獲得につながるかどうかはやや不確定
- 特に「あったらよかった」という質問は、必要性の強弱が特定しづらいため、優先順位をつけにくい(改善項目が多く出過ぎる可能性がある)
では、次に、そもそも、この入居者アンケートは何のために行うのかに立ち返って考えてみます。
2. 販促の改善に直結する「入居時アンケート」とは?
入居者アンケートには、大きく分けて3つの種類があります。
a.【入居時】アンケート
b.【入居中】アンケート
c.【退去時】アンケート
この3つを一枚の表で整理してみます。大きくは3つと言いましたが、 「b.【入居中】アンケート」はほとんど実施されることが無いことと、内容的にも「c.退去時アンケート」と大きくは変らないため、実際には入居時と退去時の2つになるといえます。そして、「A4」1枚アンケートのノウハウを活用して実施していきたいのは、「a.【入居時】アンケート」になります。
いかがでしょうか?こうして並べてみると、同じ「アンケート」という名前であっても、ずいぶんと狙いや質問内容が違うことがわかると思います。この2つのアンケートは共通した大目的である「入居率を高める」という点は同じなのですが、主眼が置かれているポイントが違います。「c.退去時アンケート」は、サービスや設備の改善点を見つけることに主眼が置かれています。
それに対して、 「a.【入居時】アンケート」は、決めてくれたお客様に、いまある設備やサービスの何が気に入ってもらったのか、即決にいたらなかったとすれば何が不安だったのか、そして比較された競合とそれに勝った点?などの、主に販促段階における自物件の強み(他に比べて勝っている要素)の発掘と発信の強化を狙っています。
実際にどのような内容のアンケートが集まるかについては、下記の記事を参考にしてください。
参考:【賃貸マンション / アパート】「A4」1枚アンケート活用法と、PDCAサイクルを回す重要性とは?
また、「A4」1枚アンケートの内容につきましては、こちらの本に詳しく書いてありますので、是非、参考にされてください。
3.まとめ
今回は、基本とも言える「入居者アンケート」について書いてみました。実際に活用していく場面では、その物件の募集における状況、改善したい点を踏まえ、基本は変えずに少しずつ質問文の内容やアンケートを取るプロセス、アンケートの媒体(紙が基本ですが、回収率に合わせてオンラインも併用)などを調整していきます。
あくまで、「お客様(入居者)の声から、情報・ヒントを得て改善策を実施し、入居率を高める」という目的からブレないことが大事かと思います。
次回以降も、今回の「入居時アンケート」をどう販促に活かしていくのかの具体例、それ以外のマンダラ広告作成法の活用法など賃貸マンションやアパートの「入居率」を高める手法については引き続き、扱っていきたいと思います。読んでいただき、有り難うございました。
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