投稿日:2021.07.16
「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー大阪支部の浅野と申します(プロフィール)。
主な仕事は、不動産オーナーさん向けに、「土地有効活用の企画」や「(賃貸マンション等の)空室対策(収益改善)」のコンサルティングをおこなっております。
前回の『オンライン接客や販売が進む今こそ、アンケートを活用して購入プロセスの改善に取り組むことが大事』に続き、今回は、より具体的にどのようにターゲット毎に戦略を考えて、展開していくかについてご紹介したいと思います。
1.架空のペルソナよりも、ターゲット(の悩みや欲求)で考える
マーケティングでは、理想の顧客像(ペルソナ)を考えて、その一人に対して具体策を考え、展開していくということが推奨されます。
<ペルソナの想定事例>
山田花子
28歳
女性
専業主婦
都内に住む
夫、長女(5歳)、次女(3歳)の4人家族
料理、カフェめぐり、ランチが趣味
Instagramで料理系のアカウントを日頃チェックしている
自身もレシピブログを開設している
友人とのやり取りではLINE、Facebookを使用することが多い(
こちらのサイトより引用)
ですが、現在は、社会の変化も大きく、多様なため、平均的な人物像(年齢、年収、家族構成)を想定することは難しくなっています。
2.ターゲット毎のニーズで分類して考える
そこで、「A4」1枚アンケートでの質問構成を元に、ニーズで整理して対策を考えていくという方法を紹介します。
上段では、おもに戦略(ターゲット、ニーズ、訴求する価値等)を考えます。
特に重要になるのが、以下の2つです。
Q1 (商品名)を買う前に、どんな事で悩んでいましたか?
⇒ターゲット(理想となるお客様):どのような悩み・欲求があるかの仮説を立てる
Q4 何が決め手となってこの商品を購入しましたか?
⇒強み(差別化):その問題や課題を解決するのに、他より役に立つ強み、差別化要素
となります。この2つのマスを埋めながら、ターゲットイメージを具体的にしていきます。
そして、この仮説を考えるときには、「マンダラ広告作成法」が非常に役に立ちます。
<参考>『当たる新規事業の作り方』
>どんなことで困っているか
>事業者側の強みやできることでその困り事が解決できるか
>そしたらお客様はどんな状態になるか
>を考えるのです。
上記を、マンダラの質問キーワードを元に考えます。
そして、下段では、戦術(マーケティングの4P理論を元に整理)を考えていきます。
下記は、現在、進行中のある賃貸マンションでの「空室対策(空いている部屋への募集戦略)」で作成したものです。
中味はお見せできませんが、実際に想定されるニーズ毎に下段で具体的な対策を考えていきます。
ここでは、6つの想定ニーズに対して、具体策を展開しています。
全ての可能性を洗い出してから、より優先順位の高いものから取り組みます。
3.ターゲットを見直すことで家賃を15,000円アップできた成功事例
次に、従来のターゲットを見直すことで、成功した事例を紹介します。
<事例概要>
場所:大阪市内
建物:築30年の賃貸マンション(5階建て)
課題:築年数が経ってきたため、外壁や共用部も古くなり、家賃を下げないと決まらなくなっていた
<取り組んだ内容>
①ターゲット(想定されるニーズ)の見直し
・従来は、古くても割安な部屋を探している男性(手頃な家賃に価値を感じる)
↓
・それを、JR大阪駅徒歩圏の立地という強みを活かし、SOHO(住居兼オフィス、店舗)へとターゲットを変更
・住居と事務所やサロンを一緒にすることで、個別に2部屋を借りるよりもリーズナブルで利便性も高めたい
その変更に伴って、4P(販路、販促、価格、商品)の全てを見直し、リノベーションを実施
②外観、室内のリノベーションを実施
・上記ターゲットに合わせて、単に古い印象の外観の印象を商業的な空間のイメージに変え、室内もカフェをイメージさせるような内装、デザインに変更。
※建物メンテナンスとして必要な「大規模修繕工事」と連動して実施したので、追加費用は抑えています
③家賃を15,000円アップ
・更に、ターゲットの見直しの目的でもある「家賃」をアップして募集
・結果は、リノベーション後、広めの1LDK2室は15,000円アップ、通常の1Kは6,000円アップを実現
※築30年以上でも、その「強み(立地、間取り)」を明確にして「それを求めているお客様(ターゲット)」へ訴求することで家賃を20%以上アップ
・なお、よく、家賃を上げたい(あるいは下げたくない)という相談がありますが、家賃(価格)は、他の要素と連動しているため、部分(家賃)だけ変えるということは難しいといえます。
・よって、「戦略(ターゲット毎のニーズ等)+戦術(4Pでの具体的展開)」の全体を考えていくことが重要です。
3.まとめ
今回は、「A4」1枚アンケートの質問構成をもとに、「戦略」から「戦術」までを一枚で考える事例を紹介しました。
ただ、これはあくまで仮説ですので、実際にはここから「A4」1枚アンケートを実施して、お客様の声をフィードバックしていくPDCAサイクルを回していくことが必須となります。
なお、「A4」1枚アンケートの質問は普遍的な内容ですので、他業界、他の商品サービスでも応用できると思います。
ぜひ、上記のシートも、自社や自業界に合わせて考えてみてください。
詳しくは、お近くの「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザーに相談していただければと思います。
読んでいただき、有難うございました。
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