投稿日:2026.10.02
山田修史です。
福岡市のホームページ制作会社の株式会社リクトに所属。ホームページの運用のアドバイスが専門。中でもお問い合わせを増やすためのホームページ運用のアドバイスが得意です。
お客様の声を探すのに、PDFを何枚も開いていませんか
お客様の声を集めたアンケート、打ち合わせの議事録、作業マニュアル。
必要な情報を探すために、こうした資料のPDFを何枚も開いたことはありませんか。
正直なところ、私もそうでした。PDF化までできていれば、電子化としては十分だと思っていたのです。
リクトでも、お客様からいただいた「クライアントの声」アンケートを保管できてはいても、使いたいときにすぐ取り出せない課題がありました。
その資料をテキストファイル(mdファイル)に変えたのが、今回お話しするきっかけでした。紙・PDF保存の先にある「使える化」について、実例をもとにお伝えします。
PDF保存が「ゴール」になっていないか
PDFは、紙をそのままデータにできる便利な形式です。改ざんもされにくく、共有もしやすい形式です。多くの会社で標準的に使われているのも、そのためです。
ただし、紙をスキャンしただけの画像のPDFには弱点があるのも事実です。文字として認識されていないため、中の文字を検索するのが苦手です。必要な部分だけを取り出すのも困難です。
たとえば「価格について不安の声を書いていたお客様は誰だったか」を調べたいとき、PDFが50件あれば、1件ずつ開いて目で探すしかありません。これ、地味にしんどい作業です。
保管はできていても、活用の場面になると急に手間が増える。これが、PDF保存だけで止まってしまうことの落とし穴です。

103件のアンケートをテキスト化した理由
リクトでは2026年9月、第6期から第15期までのお客様アンケート103件を、PDFと同じ内容のmdファイルに作り直しました。
md(マークダウン)ファイルとは、見出しや箇条書きを簡単な記号で整理できる、文字中心の軽い文章ファイルです。ワードのような凝った見た目にはなりませんが、その分ファイルが軽くなります。メモ帳のような簡単なソフトでも、中身をすぐに開いて読めます。パソコンでの検索や、AIツールに読み込ませる作業とも相性がよい形式です。
きっかけは「このアンケート、今後もっといろいろな場面で使えるはずなのに、探すのが大変」という気づきがあったからです。
まだ具体的な使い道が全部決まっていたわけではありません。それでも、次のような理由からテキスト化を先に済ませることにしました。
- 全期分の資料で、何度も繰り返し参照すること
- 都度PDFを開いて探すより、先に検索しやすい形にしておいたほうが効率的だったこと(これが一番の決め手でした)
- 将来どんな使い道が出てきても、テキストなら応用が利く
「使い道が固まってから動く」のではなく、「よく使う資料を先に検索しやすくしておく」という考え方です。
テキスト化すると、何ができるようになるのか
実際にmdファイル化してみて、PDFのままでは難しかったことができるようになりました。
欲しい情報だけを一瞬で探し出せる
100件を超えるファイルの中から、特定のキーワードを含む文章だけを一括で探し出せます。試しに「価格」という言葉で検索すると2件、「対応の早さ」に近い表現で検索すると5件のお客様の声がすぐに見つかりました(全体の傾向を示す数字ではなく、あくまで検索してみた一例です)。たとえば「価格」に関する声が見つかれば、見積もりの説明で補足すべき内容を考えるヒントになります。
AIに読み込ませて、そのまま活用できる
テキストファイルは、AIツールに読み込ませる際の負担が軽く済みます。PDFよりも軽くて速く扱えるため、複数のファイルをまとめて読み込ませることもしやすくなります。PDFのまま読み込ませようとして、うまくいかなかった経験がある人も多いのではないでしょうか。
リクトでは、この形にしたことで2つの活用方法が生まれました。
| 活用方法 | できること |
|---|---|
| 傾向分析 | 複数件のアンケートを横断して、多い意見や声の傾向をまとめる |
| 訴求文の抽出 | 営業資料やホームページに使える、お客様の生の言葉を探し出す |
いずれも、103件のPDFを1件ずつ目で追っていては現実的ではなかった作業です。テキスト化したことで、はじめて手が届くようになりました。
誰でも、どのツールからでも使える場所に置く
テキスト化した資料は、リクトの共有フォルダに保存しています。特定の担当者のパソコンだけに置くのではなく、社内の誰もが同じ場所から使える状態にするためです。
さらに、この共有フォルダを「仮想ドライブ」という仕組みでパソコンにつなぐと、まるで自分のパソコンの中にあるフォルダのように直接開いたり検索したりできます。共有フォルダを参照できるよう接続設定したClaudeやChatGPTといったAIツールからも、同じ場所のファイルをそのまま読み込ませて活用しています。
保存場所を一つに決めておくだけで、使う人やツールを選ばない資料になります。

新しいアンケートが増えても、放置しない仕組みにする
アンケートは今後も増え続けるものです。せっかくテキスト化しても、その後の分が反映されなければ意味がありません。いずれ「使えるのは昔のデータだけ」という状態になりかねないからです。
そこでリクトでは、新しいアンケートのPDFが増えたら、まだmd化されていない分だけを選んで変換しています。加えて、傾向分析や訴求文探しをAIに依頼したときにも、変換漏れがないかを毎回確認する仕組みにしました。保存時と分析時の二段階でチェックすることで、資料は使える状態を保ち続けています。
活用するときに気をつけたいこと
便利になった一方で、テキスト化した資料を扱う際には注意点もあります。
出典を必ず明記する
「〇〇社様のアンケート(第◯期)による」というように、誰のいつの声かを必ず添えます。出どころのわからない声を並べても、説得力は生まれません。これは「グラウンディング」と呼ばれる考え方です。AIが答えた内容について、いつでも元のアンケートに戻り、引用や要約が正しいか確認できるようにする工夫を指します。出典さえ明記されていれば、答えを鵜呑みにせず検証できます。
書かれていないことを付け足さない
AIに要約や整理を任せると、資料に書かれていない内容を、それらしく補ってしまうことがあります。実際にあった言葉だけを使うという原則は、人の目で最後に確認する必要があります。
判読しにくい資料は無理に急がない
古い資料の中には、スキャンの向きが違っていたり、文字がかすれていたりして読み取りにくいものもあります。リクトでも100件を超える中に、確認が必要なものが18件ありました。
こうした資料は無理に一度で終わらせず、あとから見直せるように一覧にしておくと安心です。
まとめ
紙で残す、PDFで保管する。ここまでは、多くの会社がすでにやられていることだと思います。だとしたら、その先に何があるのか。
その先にある「検索できる」「AIに読み込ませて活用できる」という一手間まで踏み込むと、資料は保管するだけのものから、日々の仕事で使えるものに変わります。
すべての資料を一度にテキスト化する必要はありません。まずは「よく見返す資料」「何度も探し物をしている資料」から、少しずつ試してみてはいかがでしょうか。
「A4」1枚アンケートは、集めるだけでなく、日々の仕事に活かしてこそ意味があります。今回ご紹介した工夫が、みなさまの実践のヒントになれば幸いです。
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この記事を書いた人

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|---|---|
| 社名・屋号 | 株式会社 リクト |
| ホームページ | https://www.lct.jp/ |
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| ブログ | https://a4kikaku.com/blog/?user=47 |
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