投稿日:2026.06.12

京都の「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー小宮康義です。専門性が高く、説明しないと価値が伝わりにくい商品・サービスを持つ企業や専門家のために、実践的な販促・コンテンツ企画を支援しています。中でも、お客様の声をもとに、売り込まずに価値が伝わる見込客教育・セールスプロセスを設計することが得意です。教育機関・スクール・士業・専門家に加え、事業会社の営業導線づくりも実務教育23年の経験を活かしてお手伝いします。
先日、営業スキームづくりで関わっているお客様のご相談を受けていた際のことです。
「御社のお客様って、なぜ御社の商品を買っているのですか?」と質問してみると、「う~ん、値段が他よりも安いからかな。現に、お客様からもそういったお声をいただくことが多いですし・・・」「お客様はみんな安い方が嬉しいでしょうからね」
意外にも、経営者や専門サービスを提供している方とお話ししていると、このような言葉を聞くことが珍しくありません。
でも実際に詳しく話を聞いてみると、商品やサービスの質は高いし、お客様への対応も丁寧で、既存のお客様からの評価も良い。一度利用した方からは「お願いしてよかった」「もっと早く相談すればよかった」と言われていたりもします。
それなのに問い合わせがあって、見積を出すと結局「他社の方が安かったので」と言われてしまうことがあったりで、「結局、価格なのかぁ」と落胆してしまうことも多いのだそうです。商談で一生懸命説明しても最後には価格の話になってしまうとも。
御社は、そんな安くしないと売れないジレンマに悩んでいませんか。
価格で比較される本当の理由
では、なぜ良い商品サービスなのに価格で比較されてしまうのでしょうか。
これって理由は結構シンプルで、お客様にとって、その商品サービスの価値がまだよくわからないうちに買うか買わないかの決断をしなければならない状況に追い込んでしまうからじゃないかなと考えています。
売り手側は、自社の商品やサービスの良さをよく知っています。どこにこだわっているのか、他社と何が違うのか、どれだけ手間をかけているのかもわかっています。
でも買う前のお客様は、当然ですがそこまでわかっていません。
ホームページを見ても、パンフレットを見ても、どの会社も「高品質です」「丁寧に対応します」「実績があります」「お客様に寄り添います」と書いてある。そうなると、お客様にとって一番わかりやすい判断材料は、価格になってしまいます。
つまり、価格で比較されているのは、安さを求めるお客様ばかりだからではありません。
価値の違いが判らないから、価格で判断するしかないのです。
価格で比較されていた企業の例
以前一緒に仕事をした、ある専門性の高い法人向けサービス会社でも同じようなことが起きていました。
既存の顧客企業からの満足度は高く、紹介で来た企業は高い確率で契約になっていました。ところが、ホームページから問い合わせてきた新規客には、見積もり提出後に「他社の方が安かったので」と断られることが多かったのです。
詳しく見てみると、ホームページにはサービス内容、料金、会社概要、実績は載っていました。しかし、「なぜこのサービスが必要なのか」や「既存のお客様がどこに価値を感じているのか」などは、ほとんど書かれていませんでした。
つまり、お客様はその商品やサービスの価値を理解する前に、料金だけを見て比較せざるを得なかったのです。
でも実際にその会社のサービスを体験した既存の企業担当者に話を聞いてみると、選ばれた理由は「安さ」ではありませんでした。
「丁寧にヒヤリングしてくれて、こちらの状況をよく理解してくれた」
「導入後の運用まで考えて親身な提案をしてくれた」
「専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれた」
「最初の相談で、失敗しやすいポイントを先に教えてくれた」
このような声が出てきました。
会社側は「サービス内容」や「商品特性」をしっかり伝えているつもりでした。でも、お客様が本当に価値を感じたのは、「自社の状況を理解してくれる安心感」や「導入後のアフターケアについて」だったのです。
スクールや教室でもよくあることです
これは、私が相談を受けるスクールでもよくあります。
たとえば、ある子供向け音楽スクールでは体験レッスンの申込みはあるものの、入会率が伸び悩んでいました。スクール側は、講師の経験やカリキュラムの良さを一生懸命伝えていました。しかし、実際に何か月か通っている保護者に話を聞いてみると、満足している点はもっと他にあったのです。
「先生が子どもの性格をよく理解して、良さを引き出してくれた」
「できないところを責めずに、どうすればできるようになるかを一生懸命考えて指導してくれた」
「先生が有名私立小学校の入試傾向に詳しく、それに沿った指導をしてくれている」
教室側は「レッスン」を売っているつもりでしたが、お客様が買っていたのは「子供に合わせて成長できる環境」だったのです。
この違いに気づかないまま、ノウハウや月謝やカリキュラムだけを前面に出してしまうと、どうしても他の教室と比較されます。
けれど、入会前の段階で「どんな考え方で指導しているのか」「どんな子に向いているのか」「入会している保護者がどこに安心しているのか」が伝われば、価格だけではなく、相性や価値で選ばれやすくなります。
売る前に必要なのは「説得」ではなく「教育」
だからこそ、売る前に必要なのは「説得」ではなく「教育」なのだと考えています。
ここで言う教育とは、上から目線で教えるという意味ではありません。お客様が自分にとって必要な判断ができるように、情報を整理して届けてあげるということです。
◯お客様に、今の問題に気づいてもらう
◯放置するとどうなるかを知ってもらう
◯解決策を選ぶ基準を持ってもらう
◯よくある失敗や誤解を先に解消する
◯自社が大切にしている考え方を伝える
◯お客様の声や事例で安心してもらう
◯そのうえで、相談や商談に進んでもらう
この流れができている会社は、価格だけで比較されにくくなります。
なぜなら、お客様の中で「安いか高いか」ではなく、「自分に合っているか」「信頼できるか」「この会社にお願いする理由があるか」という判断に変わっていくからです。
お客様の声を聞くことから始める
では、価値が伝わる順番は、どうやって作ればよいのでしょうか。
ここで大切になるのが、お客様の声です。
先ほどの法人向けサービス会社の例でも、会社側は「サービス内容」や「実績」を前面に出していました。もちろん、それも大切です。けれど、実際にお客様が価値を感じていたのは、「自社の状況を理解してくれたこと」「失敗しないための判断基準を教えてくれたこと」「専門用語を使わずに説明してくれたこと」でした。
スクールや教室の例でも、「カリキュラム」や「講師経験」を伝えていましたが、保護者が本当に安心していたのは、「子どもの性格をよく理解してくれたこと」「どうしたらできるようになるかを一生懸命考えてくれたこと」「有名私立小学校の入試に詳しかったこと」でした。
つまり、価格ではなく価値で選ばれるためには、まず「お客様が本当は何に価値を感じているのか」を知る必要があります。
そこで役立つのが、「A4」1枚アンケートです。
「A4」1枚アンケートでは、お客様に次のようなことを聞いていきます。
購入前にどんなことで悩んでいたのか
何をきっかけに知ったのか
購入前にどんな不安があったのか
最終的な決め手は何だったのか
実際に利用してみてどうだったか
この声を集めると、どんな不安や悩みを持ったお客様が、どんな情報を求め、何を決め手として「ここにお願いしよう」と思ったのかが見えてきます。そのことがそのまま、
ホームページに何を書くべきか
営業資料で何を伝えるべきか
セミナーや説明会で何を話すべきか
小冊子や動画でどんな不安を解消しておくべきか
商談前にどんな事例を見てもらうか
メールやLINEでどんな情報をお届けすると良いか
こうしたセールスプロセス全体を組み立てるための材料になります。
つまり、「A4」1枚アンケートは、お客様の声をもとに、売り込まずに価値が伝わる流れを作るための土台になるのです。
自分たちの言いたいことから考えるのではなく、お客様が購入前にどんなことに悩んでいて、何を決め手に購入を決断し、今どう思っているのか?を知ってから組み立てていくことがとても大切です。
価値が自然に伝わる順番をつくる
売り込まずに自然に価値が伝わるしくみをつくる。私はこうした流れを、教育型セールスプロセスと呼んでいます。
なぜ「教育型」という表現をし始めたのかは、教育会社にいたころに教育講座やオンライン講座を視聴することによる接触頻度や接触時間が、講師と受講生、もしくはスクールとの間にどれほどの親近感や一体感を生み出すかを実感していたことに起因します。
講師との信頼関係が出来たのちには、講師が進める書籍や教育コンテンツを、受講者が何の疑いもなく購入する場面をたくさん見てきました。(もちろん必要なものだからです。価値のないものを販売するために悪用するのは厳禁です!)
だから一般的なマーケティングやセールスの場でも「事前に教える」ことを取り入れることで、同じような効果が期待できるのではないかと思ったのです。
売り込むのではなく、価値が自然に伝わる順番を作る。営業担当者のトークだけに頼るのではなく、ホームページ、資料、小冊子、教育講座、メール、セミナー、事例、お客様の声などを使って、商談前から理解と信頼を育てていくのです。
これができると、営業のやりやすさは格段に変わります。
これまでなら、商談の最初から自社の説明をしなければいけなかったかもしれません。しかし、事前にお客様が考え方や選び方を理解していれば、商談ではより具体的な話から始めることができます。しかも、お客様の方から積極的に話してくれることが多くなります。
「実は、うちの場合はこういう課題がありまして」
「小冊子を読んで考え方に共感してお願いしたいと思いました」
「事例にあったような進め方ができるなら相談したいと思いました」
このような状態で商談に入れると、価格勝負になりにくくなります。
良い商品や良いサービスを持っている会社ほど、本当はこの仕組みが必要です。なぜなら良い商品やサービスでも、カタチが無くて、買ってみないと良さがわからない高額商品の場合には、簡単な言葉では価値が伝わりにくいからです。
専門的な知識や経験がある商品サービスだからこそ、ただ「高品質です」「丁寧です」と言うだけでは伝わりません。
お客様が納得して選べるように、価値が伝わる順番を設計する必要があります。
もし、あなたの会社が「説明すればわかってもらえるのに、説明する前に価格で比較されてしまう」と感じているなら、見直すべきは商品そのものではなく、売る前の伝え方かもしれません。
お客様が自然に理解し、納得し、信頼して選べるようにする。つまり、売り込まずに価値が伝わる教育型のセールスプロセスを作ることが必要かもしれません。
価格ではなく価値で選ばれるために。まずは、お客様が買う前に何を知り、何を理解し、どんな不安を解消すればよいのか。そこから見直してみてはいかがでしょうか。
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