投稿日:2026.06.16

「A4」1枚アンケート広告作成アドバイザー福井県支部の佐々木渉です。
「どーだと胸を張って、一歩前に進める会社づくり」をサポートしており
動画制作の専門家でもあります。
・会社の良さをうまく言葉にできない
・求人を出しても、なかなか共感されず採用がうまくいかない
・動画を活用して売り上げを伸ばしたい
・採用で動画を活用してみたいけどどうしていいかわからない
・動画を作ったけど効果が出なかった
多くの場合、問題は「魅力がないこと」ではありません。
価値が、まだ言語化されていないだけです。
私は、A4 1枚アンケートを通して、
社員やお客様の声から会社の価値を再発見し、
「この会社の魅力」がきちんと伝わる状態をつくるお手伝いをしています。
「この企画、どう思う? 遠慮なく、厳しめに評価して」
最近、AIにこんなふうに相談する方も増えてきました。私もよくやります。ところが返ってくるのは、たいてい「とても良い視点ですね」から始まる、どこか優しい答え。厳しめにと頼んだはずなのに、気づけば、こちらが心地よくなる方向へ話が進んでいく。
もっとも、AIだけのせいではありません。いくつか出てきた指摘のうち、耳の痛いものはそっと飛ばして、納得できるものだけを拾い、「だよね」とうなずきながら次の質問を重ねていく。私たち自身が、自分にとって心地よい結論へと、AIと二人三脚でたどり着いてしまうのです。
あ~耳が痛いと思ったらぜひ、このまま読み進めてみてください。
AIは、私たちが聞きたい答えを、私たちと一緒になって探してくれる。便利な反面、これは少し怖いことでもあります。
そして実は、これはAIに限った話ではありません。
ネットの情報も、テレビの情報も、私たちはもう少し疑ってかかったほうがいいのかもしれません。
私自身もそうですが、多くの人は「マスメディアは情報をコントロールしている。
自分たちに都合のいいことだけを流す、いわゆる偏向報道だ」と感じがちです。
その見方が完全に間違っているとは思いません。私自身、そういう面はあると思っています。
ただ、以前こんなことがありました。
ある大手新聞社の方と話す機会があったのです。名前は伏せますが、かなりリベラルな論調で知られる新聞社の、中堅社員の方でした。私は思い切ってかねてよりの疑問をぶつけてみることにしました。
「御社はリベラルな記事が多い印象ですが、それはトップの思想なのですか? それとも、政治家からの圧力でもあるのでしょうか?」
「え~言いにくいのですが、ここだけの話 実は、あるんですよ」と言う回答を期待していたのですが…
返ってきた答えは、意外なものでした。
「いえいえ、ビジネスですよ。リベラルに書くと、新聞が売れるんです。社内にはゴリゴリの右寄りもいれば、中庸の人間もいます。それでもリベラルに書くのは、そのほうがリベラルな読者に売れるからです」
実はこれ、ただの感覚論ではありません。気になったので調べてみました。
経済学者のゲンツコウとシャピロは、アメリカの新聞を大規模に分析して、紙面の論調はオーナーや経営陣の思想よりも、その地域の読者層の政治的傾向に強く左右される、という結果を出しています。つまり、読者が読みたいものに合わせて、論調のほうが寄っていく。リベラルな読者を抱える新聞はリベラルに、保守的な読者を抱える新聞は保守的に。
「リベラルに書かないと売れない」というあの社員さんの言葉は、まさにこれを現場の肌感覚で言い当てていたわけです。政治の陰謀でもなければ、記者個人の信条だけの問題でもない。突き詰めれば、市場のメカニズムなんですね。
では、新聞やテレビなどのオールドメディアに代わって台頭してきた
SNSやネットメディアは、偏りがないのでしょうか。
残念ながら、そんなことはありません。むしろネットは、PVを稼ぐために、読み手が見たいと思っている情報をどんどん作り出していきます。
あのSNSの力が大きく働いた歴史的な参議院選挙のときを思い返してみてください。
「なるほど、そういうことだったか」と思い当たることはありませんか?
YouTubeも同じです。気づけば、自分の興味のあるものばかりが並んでいませんか?
AIは真実を語らない
そして、冒頭のAIです。
もうお分かりですね。新聞やSNSと同じ力学が、AIとの対話にもそっくりそのまま働いている。「厳しめに」と頼んでも、最後に心地よい答えを選んでしまうのは、ほかでもない私たち自身なのです。
つまり私たちは、知らず知らずのうちに「自分が読みたいもの」にお金を払い、クリックしているわけです。すると媒体は、それをせっせと供給する。要するに私たちは、「自分で買った偏り」を手にしている。
この力学は、SNSでさらに純度を増します。アルゴリズムが見ているのは、あなたが何を心地よく感じるか、ただそれだけなんです。
滞在時間が最大になるように、情報を選り分けてくる。
いわば、究極の「読者への最適化」です。
偏りが私たち需要側から生まれるのなら、その解決策もまた、需要側にしかありません。
心地よいものだけでなく、立場の違う情報をあえて読みにいく。
共感よりも検証を、安心よりも真実を選ぶ。手間はかかります。けれど、この構えこそが、情報の洪水に流されないための、ほとんど唯一の足場だと思うのです。
さて、前置きが長くなりました。ここからが、今日いちばんお伝えしたいことです。
「自分にとって心地よいものを、知らないうちに手にしてしまう」
これは、ビジネスの世界でもまったく同じだと思うのです。
「うちの強みは〇〇です」
この言葉、本当によく聞きます。
でも突き詰めると、それは多くの場合「自分たちがそうであってほしいと願っている姿」、いわば心地よい自画像なのではないでしょうか。
そして我々は、その心地よさを脅かす情報を、無意識のうちに避けてしまう。
だから、提供者である自分が直接お客様に「うちの強みは何ですか?」と尋ねると、二重の歪みが生まれかねないのです。
ひとつは、問いそのものが「うちの強みって、これですよね?」という確証を求める誘導になりやすいこと。これはまさに、あなたの好むものばかりを差し出してくるアルゴリズムと同じ構図です。
もうひとつは、お客様側の忖度です。面と向かって不満や本音を口にするのは、気まずいもの。だからつい、相手が喜びそうな答えを用意してしまう。
結果、その場の空気は心地よく保たれる。けれど肝心の「真実」は、表に出てこないままです。
そう思いませんか?
ではどうするか。
もちろん、「A4」1枚アンケートの出番です。
ここには、「自社はこう在ってほしい」という願いが入り込む余地が、基本的にありません。
Q1 この商品・サービスを知る前は、どんなことで悩んでいましたか?
→ お客様が抱えていた課題が見えてきます。
Q2 この商品・サービスを、どこで知りましたか?
→ 媒体や流入経路がわかります。検索なら、検索ワードまで見えてきます。これからは「AIに勧められて」という答えも増えるでしょう。そのとき、お客様がAIに何と聞いたのか——その問いこそ、これからの時代の貴重なヒントになります。
Q3 知ってすぐに購入しましたか? しなかったとしたら、それはなぜですか?
→ 購入前の不安や葛藤が見えてきます。であれば、その不安に先回りして手を打てばいい、ということになります。
Q4 他にも似た商品・サービスがある中で、なぜこれに決めたのですか?
→ お客様が自社を、その商品を「選んだ理由」が見えてきます。そして、これこそが本当の強みであることが多いのです。
Q5 実際に購入・導入してみて、いかがでしたか?
いかがでしょう。
この5つの問いに、「こう在ってほしい」という心地よさが入り込む余地は、ほとんどありませんよね。
とはいえ、油断は禁物です。お客様があなたをよく知っていて、これからの関係も考えて、つい忖度してしまう。その可能性はゼロではありません。そうなると、やはり本当の姿は見えにくくなります。
その対策が、第三者にアンケート(あるいはそれに準じたインタビュー)を任せることです。もちろん、私たちのようなアドバイザーが間に入れば、より精度の高い情報が得られると言って差し支えないでしょう。
第三者が間に入る。この設計にこそ、本質的な意味があります。
お客様は、提供者本人ではない相手だからこそ、忖度なしに本音を出せる。そして中立の聞き手は、確証を取りにいくのではなく、「選ばれた本当の理由」を掘りにいける。
さきほどの「共感より検証を、安心より真実を」という構えを、自分の意志ではなく、仕組みとして他人に肩代わりしてもらう、ということです。
一人ではどうしても、心地よさのほうへ流されてしまう。だからこそ、構造で担保する。
これは、個人の意志の力に頼るよりも、はるかに賢いやり方だと、私は思うのです。
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