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 AIに選ばれるホームページは、結局お客様に選ばれるホームページだった

投稿日:2026.06.02

山田修史

山田修史です。
福岡市のホームページ制作会社の株式会社リクトに所属。ホームページの運用のアドバイスが専門。中でもお問い合わせを増やすためのホームページ運用のアドバイスが得意です。

「AIに聞いたら、リクトさんの名前が出てきたので問い合わせました」

最近、こういうお問い合わせをいただくことが増えてきました。半年以上前からチラホラと、今では月に一度くらいは耳にします。あるご支援先では、ひと月の問い合わせ5件のうち3件が「AIで見つけた」というケースもありました。

AIに見つけてもらうために、何か特別なことをしないといけないのか。そう身構える経営者の方もいらっしゃいます。でも、私がお客様にお伝えしていることは、AIが出てくる前とほとんど変わっていません。むしろ、これまで地道にやってきたことが、そのままAI時代の答えになっている、という感覚です。

では、AIの時代にホームページとどう向き合えばいいのか。私たちが現場でお客様に伝えていることを、順番にお話しします。

ホームページは「作って終わり」ではない

ホームページを作りたくてホームページを作る会社は、ほとんどありません。集客がしたい、商品を知ってほしい、相談を増やしたい。何かしらの目的があって、お金をかけて作るはずです。

ところが、立派なサイトを作っただけで満足してしまうと、その目的には近づきません。大事なのは、作った後の「運営」です。これはAIが登場する前のSEO(検索エンジン対策)の時代から、ずっと変わらない大原則でした。

AIは確かに新しくて、みんなの食いつきもいい。ただ、本質のところはそんなに変わっていない、というのが正直な実感です。まずはやることをやる。その第一歩が、ホームページそのものを「育てる」ことです。

AIに書けない「自社だけの情報」を載せる

サイトを育てるとは、自社にしかない情報を積み重ねていくことです。

作品をつくる会社なら、その作品。工事をする会社なら、施工例。このとき、完成後のビフォーアフター写真だけで終わらせないのがポイントです。たとえばリフォームなら、現地調査でどんな不具合が見つかったのか、お客様にどんなご要望があって、それをどう工夫して解決したのか。施工途中の写真、職人さんの判断、使った材料のこだわりまで。そこに至るまでのプロセスを言葉と写真で残しておくと、同じ悩みを持つ人が「ここなら任せられそうだ」と感じてくれます。これがその会社のオリジナリティであり、他では出せない「うちだけの情報」になります。

一般的な言葉や、どこにでもある事例では、同じ悩みを持つ人に見つけてもらえません。お客様の固有の事例を、プライバシーに配慮しながら、一般化できる形でしっかり載せていく。同じ悩み・同じ解決方法を探している人が、たどり着けるようにするわけです。

これはAIが書けない「一次情報」です。AIに書けない情報こそ、これからの時代に強みになります。

AIが書ける一般的な情報と、自社にしかない一次情報(事例・お客様の声・施工プロセス)を左右で対比した図解

図:「AIが書ける情報」と「自社にしかない一次情報」の対比図

お客様の声で「選ばれた理由」を見せる

事例と合わせて載せたいのが、お客様の声です。

実際に良かったのかどうかは、自社が言うより、お客様に語ってもらうのが一番説得力があります。なぜ他社ではなく自社を選んでくれたのか。同じ悩みを解決してくれる、信頼できる会社に相談したい。その気持ちに応えるのが、お客様アンケートやインタビューです。

実例:あるデザイン会社さんの「積み重ね」運営

ここで、私が実際に伴走した例を一つ。鹿児島にある、デザイン会社さんの話です。

ホームページは「とりあえず作っただけ」の状態でした。問い合わせも、正直、ほとんど来ていません。

私がお手伝いに入ったとき、デザインには手をつけませんでした。お伝えしたのは、ただ一つ。「大事な情報を、積み重ねていきましょう」。

デザイン会社さんなので、「何のデザインをしているの?」と聞かれたら答えられるように、できることを一つずつ丁寧に載せていきました。パンフレットのこと、カタログのこと、チラシやフライヤーのこと。そこに自社のこだわりと制作実績を添え、お客様の声と、作った後の成果まで載せる。公開した後も、ブログを書きながらコツコツ作り込んでいきました。

結果、約1年で、ホームページから相談が安定して入るようになりました。冒頭でお話しした「ひと月5件のうち3件がAI経由」というのも、この会社さんの最近のケースです。AIに聞いたら名前が出てきた、という入り口が、ちゃんと成果につながっています。

ただ、これはもし最初の「メニューだけのサイト」のままだったら、起きていません。情報量が少なすぎて、AIにも人にも選ばれなかったはずです。

そしてもう一つ大事なのは、行動したのは、その会社のみなさんご自身だということ。サイトの改修はこちらでできても、自社にしかない情報を足せるのは、その会社の人だけです。ここはAIにも代われません。外部の人間が伴走する一番の価値は、「やりましょう」と背中を押す強制力なのかもしれません。代表が手を動かすから、スタッフも動く。そうやって、運営は回り始めます。

情報の少ないサイトから、事例やお客様の声を積み重ねて約1年で問い合わせが安定するまでを示した、ホームページ改善のビフォーアフター図

図:サイト改善のビフォーアフター(約1年で問い合わせが安定)

専門家として「外」にも発信する

サイトの中を充実させたら、次は外への発信です。

ブログで自分の言葉で語る。SNSで発信する。専門のメディアがあれば寄稿する。私自身、会社のブログだけでなく、所属する協会のサイトでも月に一度ブログを書いています。発信が得意・不得意は誰にでもあるので、無理に全部やろうとせず、得意なところを伸ばすのでいいと思います。

ただ、「専門家です」と名乗るなら、その証明はしておきたい。知見で裏づけられた内容を、コツコツ出していく。これが信頼の土台になります。

第三者に語ってもらう

発信が苦手なら、お客様や仲間に手伝ってもらう手もあります。

「あの会社で買って良かった」「この悩みを解決してくれた」。お客様がご自身のブログやSNSで紹介してくれる。一緒に仕事をするパートナーや、同業者が言及してくれる。商工会議所や自治体の活動など、地域とのつながりがあるなら、そうした団体のサイトに載せてもらうのもいいでしょう。

第三者からの「あそこはいいよ」という声が、サイトの信頼度を引き上げます。検索順位も上がりやすくなり、AIからも選ばれやすくなる、というわけです。

AIが選ぶ基準も、結局は「信頼」

AIは間違った答えを言う。これ、よく言われますよね。確かに、その一面はあります。

それでもAIは、インターネット上の評判を見て、信頼がありそうなサイトを選んで提案します。情報量が多く、他者からの評価が高いサイトは、「信頼できそうだ」と判断されやすい。だから、地道に積み重ねたサイトほど、AIにも選ばれやすくなります。

ここで忘れたくないのは、最後に判断するのは必ず人だということです。AIに紹介されて来てくれたお客様も、結局はホームページに来て、自分の目で見ています。お客様の声や事例が載っているから納得して、問い合わせにつながる。AIは「探す負担」を減らしてくれただけで、判断の根っこは何も変わっていません。

逆に言えば、たまたまAIに選ばれても、サイトに中身がなければ相談は来ません。やはり、自社の情報をしっかり育てておくことが先です。

AIが探す負担を減らして候補を提示し、最後に人がホームページを見て判断するという、AIと人の役割分担を示した図解

図:AIと人の役割分担図(AIは探す負担を減らし、人が最後に判断する)

「共感」から「信頼」への流れをつくる

AI時代になって、信頼と共感の大切さは、一段と高まったと感じています。

人がサイトを見るとき、まず入り口は「共感」です。「この悩み、うちと同じだな」と思ってもらえるか。次に、「こうすれば解決できますよ」という証拠がある。さらに、それがなぜできるのかという裏づけ——資格や受賞歴、実績——がある。

この共感 → 証拠 → 信頼の流れに、一貫性があるかどうか。ここがとても大事です。

実はこれ、私が学んでいる岡本先生が考案された「A4」1枚アンケートの感情の流れにぴったり沿っています。お客様が動くときの自然な感情の順番を、そのままサイトに落とし込む。AIの時代になっても、この考え方はよくできているなと改めて思います。

共感・証拠・信頼の3ステップで進む顧客の感情の流れを示した図。『A4』1枚アンケートの考え方に沿ったホームページ構成を表す

図:共感→証拠→信頼の流れ図(A4・1枚アンケートの感情の流れ)

社長自身が「顔」になる

もうひとつ、外での発信で大事なのが、社長やご本人が顔を出すことです。

会社の中身は、結局のところ社長です。社長がどんな活動をしているかを、お客様は意外としっかり見ています。発信が信頼感や共感につながり、それが実績や権威へと積み上がっていきます。

起業したばかりの方ほど、「自分を出すのはちょっと…」とためらいがちです。私自身も、できれば顔は出したくない方でした。正直、今でも少し照れます。でも、あなたの雰囲気で作られた会社で、あなたがその顔です。同じ品質なら、顔が見えて話せる相手のほうが、頼むときのハードルは下がります。

もちろん、仕組みでうまく回っているなら、無理に出る必要はありません。ただその場合も、どこかで共感と信頼は必ず作られているはずです。人で作れないなら、仕組みのどこかで作る。そこは押さえておきたいところです。

コツコツ続けることが、いちばんの近道

ここまでお話ししてきたことは、すぐに答えが出るものではありません。ホームページは、育てるものだからです。

AIのおかげで、一般的な文章はいくらでも作れる時代になりました。「〇〇のやり方」を知りたいだけの検索は、もうAIの中で完結してしまい、ホームページまで来ません。だからこそ、その先にある疑問や、ここにしかない情報に答えるコンテンツが大事になります。一般論なら、わざわざサイトに来てもらう必要はないのです。

外部のサイトに載せてもらうお願いも、100%は通りません。正直、お願い事って気が重いですよね。でも、深く共感してくれる人ほど、力を貸してくれる。だから、その関係をどう作っていくかが鍵になります。

そして何より、やめないこと。

1年に1回でもいい。続けていれば積み上がります。やめてしまえばゼロですが、再開すれば、それまでの積み上げはリセットされません。

自転車に似ているかもしれません。最初は補助輪や、誰かに支えてもらわないと乗れない。でも、乗れるようになるまでの助走期間に誰かの手を借りれば、いずれ一人で走り出せます。その伴走役に、外部の人間を使うのもひとつの方法です。

まとめ

AIの時代になっても、ホームページ運営の答えは、今のところあまり変わりませんでした。

  • 自社にしかない情報を積み重ねる
  • 専門家として外にも発信し、第三者に語ってもらう。書くと書いてもらう。
  • 共感から信頼への流れを、サイトに一貫して作る。正直、これが一番むずかしくて、一番効きます

むしろAIが広がったことで、「信頼」と「共感」はこれまで以上に大切になっています。どれも当たり前で、初歩的なことかもしれません。でも問いたいのは、「知っているか」ではなく「できているか」です。

「作って終わり」にせず、お客様と一緒にホームページを育てていく伴走型のお手伝いをしています。何から手をつければいいか分からない、という段階でも大丈夫です。まずは、自社にしかない情報を一つ書き出すところから、一緒に始めてみませんか。

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この記事を書いた人

山田修史

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活動地域福岡県福岡市
社名・屋号株式会社 リクト
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